壱岐島での新たな挑戦
長崎県壱岐市に位置する「どうぶつ基金病院壱岐島」が、いよいよ開院を迎えます。この病院は、特に猫の救済を目的とした新しい拠点であり、公益財団法人どうぶつ基金と壱岐市の協働によって設立されました。開院式には、壱岐市の市長篠原一生氏や助けを必要とする動物たちと向き合うどうぶつ基金理事長の佐上邦久が出席し、プロジェクトのさらなる成功を誓います。
地域の猫問題への取り組み
壱岐島には、約3,000頭の未手術の猫が存在しています。この状況を打開するべく、2025年4月から2026年3月までの1年間、「壱岐島TNR地域集中プロジェクト」がスタートします。このプロジェクトでは、無償で不妊手術を実施し、将来的には猫の繁殖数をコントロールしつつ、猫と人間の共生を進めることを目指しています。
TNRとは、Trap(捕獲)、Neuter(不妊手術)、Return(元の場所に戻す)を意味します。この方法は、猫を減らすための最も人道的で効率的なアプローチとして世界中で用いられています。
開院式の詳細
開院式は、令和7年4月27日(日)の13時30分に「どうぶつ基金病院壱岐島」で開催される予定です。この式典では、篠原市長や院長獣医師の長井和樹氏、そして佐上理事長からの挨拶があり、今後の取り組みに向けての決意が示されます。また、開院式の後には手術の様子を取材できる機会もあり、関係者が一丸となってこのプロジェクトを実現に向けて進めています。
壱岐市における動物たちの厳しい現状
壱岐市は、長崎県内でも特に多くの犬猫が殺処分されている自治体です。動物病院はわずか2軒しかなく、島外に運ばれて手術を受けることにも限界が来ています。これにより、未手術の猫が繁殖し続けるという悪循環が生じていました。
このプロジェクトが成功することで、壱岐島の猫問題が大幅に改善されることが期待されています。3年後、5年後には「人と猫が幸せに共生できる島」の姿が具体化してくることでしょう。
地域の期待と支援
この取り組みは「離島」「高齢化」という課題を抱える他の地域にとっても大きな希望となるはずです。地域住民や他の自治体からも支援と期待が寄せられており、多くの人がこのプロジェクトの進展を見守っています。今後も壱岐市とどうぶつ基金は、動物問題の解決にむけて努力し続ける姿勢を持って取り組んでいきます。
お問い合わせ
取材のご希望や詳細に関するお問い合わせは、どうぶつ基金までご連絡ください。公益財団法人どうぶつ基金は、1988年から続く動物愛護団体であり、すべての活動は寄付によって支えられています。奇跡のような猫たちのために、ぜひ一緒にその瞬間を見守りましょう。