尼崎市が脱炭素社会に向けて進む新たな道
兵庫県尼崎市は、株式会社タクマエナジーと尼崎信用金庫と連携し、脱炭素社会の実現に向けた協定を締結しました。この協定は、エネルギーの地産地消を推進し、地域の企業が脱炭素化を進めるための強力な支援を提供します。具体的には、令和8年度から「尼崎市エネルギーの地産地消促進事業」を拡充し、公共施設への電力供給を開始します。
エネルギーの地産地消に向けた取り組み
これまで、クリーンセンター第2工場で発生する廃棄物発電による余剰電力は、CO2排出量ゼロの電力として市内事業者に供給されていましたが、令和8年4月より自己託送制度を用いて、一部の公共施設にも電力供給を開始します。これにより、供給先の拡大とともに、地元企業への電力供給枠も増やし、地域経済の持続可能性を高めます。この自己託送制度とは、発電所で生成した電力を直接他の施設に供給する仕組みで、より効率的なエネルギー利用が可能となります。
地元企業への電力販売と支援
令和8年4月以降は、年間約19,000MWhの電力供給が見込まれており、これによりCO2排出量は年間約6,200トン削減されることが期待されています。具体的には、脱炭素経営に取り組む市内業者を対象に市が求める条件を満たす場合、関西電力の標準価格より5〜10%低い価格で電力を供給します。これによりコスト削減を図りながら、地元企業の脱炭素経営を促進します。
市内事業者には、電力の見える化やデマンド制御システムの導入、さらには太陽光発電システムの提案を通じて、複合的な支援を行うことで、持続可能な経営の実現を図ります。また、尼崎信用金庫は、脱炭素経営を実現するための融資などの支援も行い、地域の経済における脱炭素化を一層推進していく考えです。
地域の未来を支える取り組み
尼崎市の新たなエネルギー政策は、地域経済の発展と環境保護の両立を目指しています。この取り組みは、単にエネルギー供給の効率化にとどまらず、地域全体での脱炭素経営に繋がる重要なステップです。
今後も、市民や企業がこの新たなエネルギーの地産地消促進事業に関与し、持続可能な社会を共に作り上げていくことが求められます。地域の未来を支えるこのプロジェクトに多くの方々の関心と参加が期待されます。これまでの取り組みに加え、さらに広がりを見せる尼崎市のエネルギー政策は今後も注目です。