プラクス株式会社が神戸医療産業都市に本社移転
近畿大学から発足した医療系ベンチャー、プラクス株式会社は、2025年4月にその本社を神戸市ポートアイランドに移転しました。新たな拠点は、神戸医療産業都市内の「国際医療開発センター(IMDA)」です。今回の本社移転は、事業拡大や研究開発体制の強化を目的としており、特に医療機器の開発に対する取り組みが期待されています。
移転の背景と意義
神戸への本社移転の契機となったのは、2024年7月から開始された神戸市の「医療機器等の開発・技術支援業務」(通称KOBEメドテックイノベーションハブ)への参画です。この事業において、プラクスは伴走支援企業としての役割を担い、地域の医療機関や研究機関との連携を深めることができます。
神戸医療産業都市は、先端医療技術や創薬・再生医療など、多様な医療関連企業や機関が集まる日本有数の医療クラスターです。プラクスは、これまでに全国の遺伝カウンセラーや医療機関との協力を通じて、より納得感のある医療選択をサポートするソリューションを開発してきました。移転によって、産学官の連携がさらに促進され、医療現場からのフィードバックを強化し、共同研究を通じて実用的なプロダクトを開発することに力を入れていきます。
プロダクト『GenieDraw(ジニードロー)』の紹介
プラクスが開発した『GenieDraw』は、遺伝カウンセリングに特化した家系図作成支援ツールです。このツールは、相談者やその家族が納得のいく医療選択を行えるように設計されています。直感的な操作性を持ち、院内のネットワークで利用できるスタンドアローン仕様です。特に面白いのは、国際標準記号にも対応し、疾患名の登録機能があることです。
また、タブレット版も用意されているため、医療者は患者との対面での聴取が容易に行えます。料金体系は年間ライセンス料が200,000円(税込)で、同一機関内であれば台数に制限がありません。さらに、教育機関向けにはアカデミックライセンスとして無償で提供されています。
現在までに、厚生労働省が定める医療機関を含む50以上の医療機関に導入されており、がん診療連携拠点病院など多様な医療機関で活用されています。
未来への展望とパートナーシップの募集
代表取締役の坂上博俊氏は、神戸という医療の最前線で現場の声をリアルに受け取り、より使いやすく、現場に根ざしたプロダクト作りを目指します。そして、「家族と医療をつなぐ」というミッションを神戸から広げることを考えています。
また、プラクスでは医療現場を支えるプロダクトの共創に参加してくれる仲間や、連携を希望する医療機関・研究者を広く募集しています。特に家系図を利用した新たな取り組みに関心のある企業や団体との連携も歓迎しています。
今後、家系図を通じて家族や健康を見つめ直す関心を持つ人々との新たな協業が期待されており、企業の社会的な影響力の拡大が望まれます。
会社概要
新しい拠点での活動に期待が寄せられるプラクス株式会社。その取り組みが、より良い医療サービスの提供に繋がることを祈っています。