EF社初の女性社長、伊東氏が万博で教育の価値を訴求

日本支社初となる女性社長、伊東グロニング七菜氏が5月22日に大阪・関西万博でデビューを飾りました。方言が交差する北欧パビリオンでのスピーチにて、教育の意義とその未来にフォーカスを当て、特にサステナビリティに取り組む姿勢を強調しました。このスピーチは、かつて自らも留学を通じた文化交流の力を体感した経験から生まれた力強いメッセージでした。

伊東社長の原体験

伊東氏は父が日本人、母がノルウェー人という国際的な背景を持ち、東京の西早稲田で育ちました。彼女は12歳でアメリカに移住し、言葉の壁に苦しんだと語ります。孤独な日々の中、授業で発したジョークが起点となり、友人ができたことで彼女の人生が大きく変わりました。このエピソードは、EFが掲げる「Decision Shaping Moment（DSモーメント）」の象徴であり、教育が文化を越えたつながりを生む力を持っていることを示しています。

その後、伊東氏はアメリカからの友人が今も訪れていることを明かし、教育を介した人間関係の重要性を強調しました。この観点は、共感力や文化的多様性の理解が、サステナビリティの根本にあることを示唆しています。

教育とサステナビリティの関係

伊東社長は、過去に環境系スタートアップ企業「テラサイクル」での経験を活かし、サステナビリティの真実について語りました。「CO₂排出量やマイクロプラスチックの問題はもちろん重要ですが、社会や文化の側面を理解しなければ、持続可能な未来は訪れない」と彼女は言います。教育こそがその基盤にあり、「知らないものは守れない」という観点から、これが未来の出発点であると強調しました。

さらに、語学留学は単にスキルを身につけるだけでなく、人間としての深みをもたらす「人生を変える旅」であると伊東氏は述べました。近年、シニア世代の留学ニーズが高まっていることにも触れ、「再出発の旅」としての海外留学の価値を訴えました。

教育を通じて世界を開く思想

伊東社長は、教育への投資がもたらす経済的なリターン以上に、社会や地球とのつながりを深める重要性に言及しました。EFの使命は、好奇心を植え付け、世界に踏み出す勇気を与えること。今後もDSモーメントを多くの人々に届けていくことを誓いました。

締めくくり

伊東グロニング七菜氏が語った万博でのメッセージは未来への期待と希望にあふれていました。EFが提唱する視点を持つことが、分断や差別の解消につながるとも信じられています。彼女の講演は、教育を通じて人々が国境を越えてつながり、共感を育むための重要なステップであると言えるでしょう。

海外留学EFは1965年にスウェーデンで設立された教育機関であり、現在は世界中に50校を展開しています。これからの教育の在り方を注視し続ける必要があります。彼女の信念に基づき、EFの持つ使命感がさらに広がっていくことを期待しています。