世界初の歯髄再生治療が神戸でスタート
兵庫県神戸市にある医療法人健康みらいRD歯科クリニックは、革新的な治療法「他家歯髄再生治療」の臨床研究を2025年1月28日から開始することを発表しました。この治療法は、他人の歯髄幹細胞を活用することで、歯を失ってしまった患者に新たな選択肢を提供するものです。
歯髄再生治療とは?
歯髄再生治療は、深刻な虫歯や外的な損傷により失われた歯の神経(歯髄)を再生させる治療法です。通常、歯髄の損失があると、患者は苦痛を強いられ、既存の治療法(抜髄)では歯の根の中に人工物を充填することになります。しかし、歯髄再生治療では、血管や神経を含む歯髄組織を再生させることにより、自分の歯を保つことが可能になるのです。
この新しいアプローチにより、特に不用歯(親知らずや乳歯)を持たない患者でも、治療の選択肢が広がることが期待されています。
自家歯髄再生治療と他家歯髄再生治療の違い
これまでの自家歯髄再生治療では、患者自身の不用歯から採取した幹細胞を利用していましたが、これは供給源に限りがありました。特に中高年の患者では、不要な歯がないために治療が受けられないケースが多いのです。しかし、他家歯髄再生治療では、他人の抜歯された歯に含まれる健康な歯髄幹細胞を利用します。そのため、より多くの患者に治療が行き届くことが可能となります。
治療の流れ
この治療法は、ドナーから提供された歯髄幹細胞を受ける患者の根管内に移植するという流れで進行します。これにより、充填された人工物の代わりに生体の組織が再生し、歯の機能回復が図られます。
期待されるメリット
この治療法が普及することで、利用できる患者が増えるたびに、回復した歯髄がもたらす多くの利点(栄養供給能力や菌に対する抵抗力の回復)が期待されています。これにより、年間数百万本が抜歯される現状に変革をもたらし、患者の身体的・精神的負担を軽減することが見込まれています。
新たな技術への挑戦
RD歯科クリニックでは、この治療が持つ可能性を信じ、今後の研究と実践に力を注いでいきます。同院院長の中島美砂子氏は、自家歯髄再生治療が成功を収めた後にこの新しい方法に注力することに期待を寄せています。
クリニック情報
RD歯科クリニックの理念は「自分の歯で食べる喜びを守る」ことです。患者一人一人を大切にし、健康寿命を延ばすために、質の高い治療とサービスを提供しています。興味のある方はぜひ、クリニック公式サイトからお問い合わせください。
まとめ
「他家歯髄再生治療」がもたらす未来への希望は大きく、これにより多くの方々が自分の歯を長く大切に使えるようになることが期待されています。今後の進展に注目しましょう。