ビーフン・フォー市場が過去最高を更新!
2024年に、日本におけるビーフンやフォーといった米を主原料にしためん類の輸入量が過去最高を記録し、注目を集めています。通関統計によれば、2024年1月から12月の輸入量は11,250トンで、前年の9,725トンから115.7%も増加しました。これにより、2022年の実績10,159トンも超え、ビーフン・フォーの新たな時代を迎えています。
特に、輸入元国として1位のタイからは6,312トン、2位のベトナムからは4,464トンが輸入されており、昨年比でそれぞれ112.8%と123.1%の成長を見せています。この背景には、健康志向の高まりが大きく貢献していると考えられています。
健康志向と簡便志向の広がり
ビーフン料理が多くの家庭の食卓に広まった要因は、健康と簡便さを兼ね備えた食材としての魅力が大きいと言えるでしょう。特に、野菜と一緒に取り入れやすく、調理も簡単な「ケンミン焼ビーフン」は、その代表格です。また、最近の食品価格の上昇による節約志向の高まりから、手頃な価格で購入できるビーフンの需要が増加しています。
さらに、ベトナムからのフォーの輸入が増えている背景には、日本国内の在留外国人数においてベトナムが中国に次ぐ第2位に位置していることがあります。この数は年々増加傾向にあり、ビーフンやフォーの需要も高まっていることが伺えます。
ケンミン食品の成長
兵庫県神戸市に本社を構えるケンミン食品は、2024年のビーフン輸入量において、業界シェア1位を誇ります。輸入量は5,120トンに達し、前年比111.9%という好調な数字を記録しました。同社の基幹商品である「ケンミン焼ビーフン」は632mの販売数を達成し、過去5年で158%の成長を示しています。
特にグルテンフリーの需要が高まる中、ケンミン食品は米を原料とした「ライスパスタ」をラインアップに加え、過去最高の売上を達成しました。これからの2025年にかけても、ビーフンやライスパスタの需要はさらに拡大することが見込まれています。
企業理念と未来展望
ケンミン食品は、1950年の創業以来、お米を主原料にした加工食品を専門に製造し、日本国内ビーフン市場で約50%のシェアを有しています。創業者の高村健民に因む企業理念「健康(健)を皆さま(民)に提供する」を掲げ、ビーフン、フォー、ライスパスタなど、様々な商品を展開しています。近年、欧米でのグルテンフリートレンドに合わせて、米粉を使用した本格的な中華麺やラーメンの開発にも取り組むなど、時代のニーズに対応しています。
ケンミン食品は、地域未来牽引企業やひょうごオンリーワン企業に認定されるなど、その実績も評価されており、今後の市場拡大が期待されています。興味深いことに、ヴィッセル神戸ともオフィシャルパートナーシップを結んでおり、地域活性化にも貢献しています。今後のビーフン・フォー市場から目が離せません。