姫路市の健康ポイント「ひめさんポ」に見る高齢者の健康づくりの新たな形
兵庫県姫路市では、高齢者の健康維持を目的とした「ひめさんポ」という新しい健康ポイント制度が導入され、わずか8ヶ月で4,109人もの高齢者が参加しています。この施策は65歳以上の高齢者を対象としており、参加率は約2.9%に達しました。お年寄りがより健康で活発に過ごせるようにするこの取り組みについて、詳しく見ていきましょう。
「ひめさんポ」とは何か?
「ひめさんポ」は、フレイル予防アプリ「脳にいいアプリ」を活用し、高齢者の健康管理と活動記録を促進する制度です。このアプリでは、歩数や脳トレ、健康管理、イベント参加の記録に応じてポイントが付与され、そのポイントはPayPayポイントや各種ギフトカードに交換することができます。この仕組みによって、利用者は「楽しみながら健康を維持する」という新たなモチベーションを得られています。
姫路市は、スマートフォンに不安を感じる世代も多いことを考慮し、スマホサロンや相談会を通じてデジタルデバイド解消に努めています。このようなサポートがあることで、高齢者も安心してアプリを使えるようになり、更なる参加の促進に繋がっています。
健康ポイント制度の効果
この健康ポイント制度の導入により、「いきいき百歳体操」と呼ばれる地域活動への参加者が増加しました。体操の参加ポイントの付与がアプリに変更されたことで、登録団体や参加者数が目に見えて増加したのです。これによって、地域内での筋力運動や交流が活性化し、地域全体の健康やコミュニティの絆が強まっています。
実績と利用者の声
導入からの8ヶ月間で、「ひめさんポ」の利用には着実に成果が表れています。参加者は4,109名に上り、累計歩数は約16億歩、推定医療費抑制額は1億円以上となっています。これにより、姫路市は健康維持のための新しいモデルケースを構築することに成功しました。
利用者からは「楽しい!」「続けられる」といった声が多数寄せられており、特にポイント取得の簡便さや順位表示の楽しさが評価されています。また、自治体のヒアリングからも、問い合わせが減少し、職員の事務負担が軽減されたとの報告がありました。これにより、業務効率化とともに、一層のサービス向上が期待されています。
今後の期待
姫路市では、この「ひめさんポ」制度を今後も継続実施し、さらなる改善を図る方針を示しています。公共施設や民間施設を巻き込むスタンプラリー機能や、オリジナルのウォーキングコースを設定するアイデアも挙がっており、高齢者自身がデジタル技術を使って地域活動に参加する環境を展望しています。
現在のところ、姫路市の取り組みは全国の他の自治体でも注目されており、地域経済や健康の活性化に向けた新たなモデルとなりつつあります。今後も「ひめさんポ」の進化を見守っていきたいと思います。