歴史と美を引き継ぐ「Hotel宇多野京都別墅」が文化財に登録

京都市右京区にひっそりと佇む「Hotel宇多野京都別墅」は、和と洋が見事に調和した美しい宿泊施設です。この度、文化庁の審議を経て、登録有形文化財に認定されました。この登録は、平成8年に制定された文化財保護法に基づき、建物の歴史的な価値やその造形美が評価された結果です。

独特な建築スタイル

「Hotel宇多野京都別墅」は、書院造の本館と数寄屋意匠の離れ、スパニッシュ風の洋館、さらに広大な庭園を有する昭和初期の邸宅です。この建物は、1939年に京都電燈株式会社重役であった大渡光蔵氏の邸宅として建てられました。昭和初期の建築様式を色濃く残したこの施設は、当時の和洋併置式邸宅の貴重な一例として見ることができます。

庭園は、昭和初期の著名な作庭家である重森三玲氏が手がけたもので、静寂に包まれた中に日本の美しさを感じることができます。これらの魅力を活かしながら、文化財としての重みを次の世代にも大切に伝えていくことが、今の運営者の使命です。

歴史と共に歩む

このホテルは、1954年に京都市により保養施設「鳴滝寮」として取得され、広く市民に利用されてきました。2000年以降は、ドラマのロケ地としても多くの方に親しまれています。その後、2016年に民間へと売却され、2019年に株式会社ホテルニューアワジが購入し、歴史ある建物を可能な限り保持しつつ、現代的な宿泊施設にリノベーションしました。

「Hotel宇多野京都別墅」は、2024年11月5日にオープン予定です。十室の客室は全て温泉風呂を完備し、快適な滞在が約束されています。また、ラウンジやダイニングでは、庭園を望みながら、和の趣を感じる食事を楽しむことができます。

地域とのつながり

文化財としての登録を受け、ホテルニューアワジグループは、ホテルが持つ歴史的価値と建築美を守りつつ、地域社会と共に歩むことの重要性を再認識しています。訪れるすべてのゲストに、特別な体験を提供したいと考えています。

今後は、保存と活用の両立を図りながら、国内外からの観光客に向けて、より良いサービスを提供していく方針です。近隣には、嵐山や金閣寺、龍安寺といった歴史的名所も豊富にあり、文化的な体験を楽しむには最適な立地です。

「Hotel宇多野京都別墅」へのアクセスも便利で、JR京都駅から車で約25分、嵐山からは約15分の距離に位置しています。また、駐車場も完備されており、旅行者にとって快適な宿泊環境が整っています。