被災地を支える「移動型歯科クリニック」体験会の開催
兵庫県神戸市で、2025年1月17日から19日にかけて、高度なIT技術によって実現された「移動型歯科クリニック」の体験会が行われます。この取り組みは、高齢化社会の進展とともに、医療サービスへのアクセスが制限されがちな地域住民を支えるものです。
「医療MaaS」とは?
日本は現在、28.9%の高齢化率を誇り、多くの高齢者が外出することも困難な状況に置かれています。特に75歳以上の高齢者は、通院が必要であってもそのアクセスが難しくなる「医療難民」となってしまいます。このため、医療MaaS(Mobility as a Service)の導入が求められています。医療MaaSは、スマートフォンアプリを活用して通院や診療予約を円滑に行うためのサービスです。これにより、移動手段を失った高齢者でも、必要な医療サービスを受けることが可能になります。
被災地での口腔ケアの重要性
阪神・淡路大震災から30年が経過し、災害時における口腔ケアの重要性が改めて注目されています。それは、震災関連死の24%が肺炎によるもので、その原因が口腔ケア不足に起因する誤嚥性肺炎であったことからきています。過疎地域や災害時には歯科医療へのアクセスが難しくなり、適切なケアを受けられなくなるリスクが高まります。今回の体験会は、これらの課題解決に向けた意義を持っています。
移動型歯科クリニックの実施内容
体験会では、歯科医師による口腔診断が行われ、最新の口腔内スキャナを用いて、その場でデータ取得が可能です。また、3Dプリンターを駆使した迅速な義歯製作も行われ、必要な患者に短期間でのサービス提供を実現します。これにより、災害時や地域医療においても迅速な対応が期待されます。
イベント詳細
- - 日時: 2025年1月17日(金)13:00~15:00、1月18日(土)13:00~15:00、1月19日(日)10:00~12:00
- - 場所: 神戸ハーバーランド 高浜岸壁(兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目6−1)
- - 受診費用: 無料
- - 受診方法: 当日来場された方を対象に、順次ご案内します。
この「移動型歯科クリニック」は、フィールドトラストが展開する医療MaaSの一環であり、日本遠隔医療学会の長縄拓哉先生や、医療MaaSの先駆者である木下水信先生の協力を得て実現したものです。災害時や過疎地域の口腔ケア支援が強化されることで、より多くの方々が適切な医療を受けられる社会の実現が期待されます。
フィールトラストの未来
フィールドトラストは、今後も「口の健康から体の健康へ」という理念に従い、次世代型の医療サービスを提供していく方針を明言しています。最新技術を活用し、医療サービスのアクセス向上を図ることで、豊かな暮らしを実現するためにさらに進化を続けていくことでしょう。