兵庫県が自治体DX推進で全国2位に急成長 - ビジネスサービス依頼数前年比3.3倍の伸び

兵庫県が自治体DX推進で全国2位に急成長

近年、大きな変化をもたらす自治体DX（デジタルトランスフォーメーション）の動向が、日本全国で注目されています。特に、兵庫県はその先進的な取り組みが評価され、全国で2位に上昇しました。具体的には、2024年から2025年にかけて、兵庫県の公務員から寄せられたビジネスサービスへの依頼が昨年比で3.3倍に増加したのです。

増加の背景

この急成長の背景には、少子高齢化や職員不足といった自治体が直面する課題があります。特に、職員のメンタルヘルス問題や住民からのハラスメントが増加する中、これを解決する一手としてDXが位置づけられています。政府も2021年にデジタル庁を設立し、自治体の業務をデジタル化する取り組みを加速させるという後押しを行っています。DXは、単なる「業務効率化」だけでなく、職場環境の改善や地域の持続可能性とも切り離せない重要なポイントとなっています。

ビジネスサービスのランキング

自治体からの依頼件数の中で特に注目すべきは、ワークフローシステムやクラウドPBXなどのビジネスサービスです。

- ワークフローシステムは、70%以上の自治体が「紙文化からの脱却」や「業務効率化」を掲げ、導入を検討しています。特に、これまでの煩雑な業務フローを整理し、業務の可視化を進めることが必要とされています。
- クラウドPBXも重要な要素です。このシステムでは、通話の録音や文字起こしといった機能が求められ、特に公務員向けでは職員保護と住民対応を両立させる道具として期待されています。

兵庫県の戦略

兵庫県のデジタル戦略課の担当者によると、県は「スマート兵庫戦略」を策定し、地域DXの推進に力を入れています。また、2025年には市町との連携強化を図るための「市町DX支援パッケージ」を導入する予定です。この動きは、全国2位という成果にも結びついていると考えられています。地域の持続可能性を高めるために、自治体のDXは必須の取り組みとなっているのです。

今後の目標と課題

兵庫県は、今後も引き続きデジタル化の推進に注力し、市町との連携を一層強化していく予定です。特にDX推進リエゾンを設置し、市町からの相談に対応する体制を整えています。また、生成AIやノーコードツールを活用した業務改革が進められており、これによって職員の業務効率化や質の高いサービス提供を目指す方針です。

DX関連サービス導入の結果として、文書管理や電子決裁の利用が進行中。コロナ禍の影響も受け、オンラインでの手続きが増加しています。2025年度の目標として、オンライン手続きの利用率を70%にすることが掲げられています。