下呂温泉の新たな取り組み
岐阜県下呂市は日本三名泉の一つに数えられ、年間100万人以上の観光客が訪れます。しかし、人気の温泉地であるがゆえに、特定の旅館に客が集中したり、訪れたものの満員で待たされたりすることもありました。このような課題を解決するために、新たに導入されたのが「手形くるくる」という混雑状況発信リモコンです。
手形くるくるの概要
このリモコンは、合同会社甲南キッチンが開発したITソリューション「asagotta」の一環として導入されたもので、下呂温泉旅館協同組合に加盟する18軒の温泉旅館に設置されました。2025年10月1日からの運用開始に向けて、観光庁の支援を受けたこのプロジェクトは、持続可能な観光推進を目指しています。
「手形くるくる」を使うことで各旅館は、自施設の混雑状況を簡単に設定し、その情報をリアルタイムでホームページに表示させることができます。旅館スタッフがダイヤルを回すだけで設定できるため、操作もとても簡単です。
湯めぐり体験の向上
下呂温泉では「湯めぐり手形セット」というサービスを提供しており、これにより宿泊客は3軒の温泉を利用できます。この手形は、特定の温泉の混雑状況をあらかじめ確認し、予定通りに湯めぐりができることを可能にします。混雑状況が見える化されることで、利用客は効率的に温泉を巡ることができ、満足度を高めます。
簡単な設置・運用
「手形くるくる」の設置は非常に簡単です。電源コンセントとWi-Fiがあれば、工事不要で導入可能です。これにより、IT導入が難しいとされる旅館でも気軽に取り入れられ、観光地全体の運営効率を向上させる手助けとなります。
国のサポート
本プロジェクトは、観光庁による「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」に採択されています。この取り組みは、観光需要が高まる一方で過度な混雑を防ぎ、地域住民との共存を図ることを目的としています。
今後の展望
「手形くるくる」の運用開始により、下呂温泉の観光環境は今まで以上に快適になります。この取り組みは単一の宿泊施設だけでなく、加盟旅館の共同によって顧客体験を向上させ、観光振興を促進します。
また、観光地の運営に関する課題を解決する手助けをし、地域全体の魅力を引き出すことが期待されています。今後も、こうした取り組みを進め、さらなる観光地の活性化を目指していきます。
asagotta(アサゴッタ)について
合同会社甲南キッチンによるasagottaシリーズは、ホテル向けのITソリューションとして開発されたシステムで、宿泊客の快適さを追求しています。VODシステムの廃止を希望するホテルからの要望を受けて開発されたもので、客室TVシステムと連携して、業務効率化と顧客満足度向上に貢献しています。
まとめ
下呂温泉の湯めぐり体験が新たに生まれ変わる中で、観光客はより快適でスムーズな体験が可能になります。今後も地域の観光振興を促進し、各旅館との連携を深めていくことが期待されます。