神戸市で進化する防災訓練
2025年1月11日、神戸市は南海トラフ巨大地震を想定した総合防災訓練を実施しました。この訓練では、AIを活用したリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』が導入され、その効果が注目されています。これは神戸市の防災対策にとって新しい一歩であり、技術の進化がもたらす未来の防災像を示しています。
訓練の詳細と背景
今回の防災訓練は、阪神・淡路大震災から30年を迎えるにあたり、その教訓をもとに行われました。訓練は、勤務時間外に震災が発生した場合の職員の行動をシミュレーションし、自宅からの登庁を含む初動対応から始まりました。災害対策本部の設置や被害情報の収集、本部員会議の運営など、緊急時の対応能力を高めることが目的です。
『Spectee Pro』の役割
『Spectee Pro』は、SNSなど様々な情報源から災害関連のデータをリアルタイムに収集・可視化するシステムです。訓練中、地震や土砂崩れ、火災、液状化といった被害を想定したSNSの投稿が、リアルタイムで災害対策本部のモニターに表示されました。このリアルタイムの情報提供により、職員は迅速な意思決定と被災状況の把握を行うことができました。
担当者からは、「実際の災害において『Spectee Pro』をどのように活用するかが課題でしたが、今回の訓練を通じて市民のSNS投稿からの情報収集のイメージをつかむことができました」とのコメントが寄せられています。
未来への展望
訓練後、株式会社Specteeの代表取締役、村上建治郎氏は「阪神・淡路大震災から30年。神戸市が新しい技術を取り入れ、積極的に防災対策を進めていることは非常に意義深い」とし、今後のサービス開発に活かしていく意向を示しました。AIによる情報分析が進化することで、より迅速かつ正確な災害対応が期待されます。
『Spectee Pro』とは
『Spectee Pro』は、SNS、気象データ、自動車のプローブデータや全国の道路・河川カメラなどを解析し、世界中の災害情報を迅速に収集・可視化するサービスです。各社顧客に対し、独自のAI技術を用いた情報整理が提供され、災害対応に必要な情報をタイムリーに通知します。全国の地方自治体でも広く採用されており、民間企業との連携も進んでいます。
これらの技術が普及することで、今後の防災対策の確実性が高まることが期待されています。神戸市の取り組みは、全国の防災モデルとなりうる重要な事例です。