半導体製造業界に革新をもたらすダイヘンのロボット技術
株式会社ダイヘンから画期的なパネル搬送ロボット「SPR-AD020BPNシリーズ」が市場に登場しました。このロボットは、半導体製造の後工程で要求される可搬質量の世界記録を打ち立てるもので、特にAIサーバーやデータセンター向けデバイスの需要の高まりとともに、その必要性がますます高まっています。
開発の背景
昨今、AIやIoTの発展に伴い、半導体製造業界は急速に進化しています。特に、デバイスの微細化が進む中、製造過程の効率化とコスト削減は喫緊の課題です。このような背景から、ウエハをダイシングした後、小さなチップを一つずつ実装する従来の方法から、より効率的な先進後工程へとシフトしています。この手法では、大きな角形パネルに小チップを並べて一気に搬送することが求められ、ロボットには高い低振動性と可搬能力が必要とされています。
ダイヘンは、FPD(大型液晶基板)搬送ロボットの開発から得た豊富な経験を活かし、独自の高剛性アームを搭載したロボットを開発しました。これにより、半導体製造技術の向上とともに、スループットの向上にも寄与し、業界全体の生産性向上に貢献することを目指しています。
本製品の特長
世界最大の可搬質量
SPR-AD020BPNシリーズは、20kgという世界最大の可搬質量を誇ります。将来的には高密度化に伴うさらなる可搬要求にも対応する設計となっており、アームの先端部分のたわみを抑え、装置のクリアランスも確保します。
低床パスラインと広いストローク範囲
最低パスラインが800mmで、昇降軸ストロークを850mm、1200mm、1500mmと多様化させ、多種多様な装置レイアウトに対応可能です。これにより、工場のスペースを有効活用しつつ、効率的な作業環境を提供します。
省配線技術
独自の電力線通信技術を採用し、ロボットからコントローラーへの配線を1本に集約しました。この技術は簡易接続や省スペース化を実現し、コストダウンにも寄与します。
多様なオプション機能
不定形基板用吸着把持ハンドや透明板対応の非接触アライメント機能など、先進後工程での数多くの実績を基にしたオプション機能も充実しています。これにより、製造過程における柔軟性と対応力が一層高くなります。
受注・販売について
本製品の受注は2025年12月1日から開始されます。興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
お問い合わせ情報
株式会社ダイヘン クリーンロボット事業部企画部
TEL:078-777-4167
このロボットの投入により、半導体製造業界は更なる技術革新を迎えることでしょう。ダイヘンのSPR-AD020BPNシリーズが、未来の製造を支える新しいパートナーとなることを期待しています。