姫路市が取り組む新たな悩み相談システム
兵庫県の姫路市では、最新のテクノロジーを駆使して市民の相談に応える「対話型チャットAIによるお悩み相談」を実施しています。このシステムの導入により、相談件数がなんと約3倍に増加したという成果が報告されています。
新しい相談窓口の設置
ZIAI(株式会社ジアイ)が開発したこの対話型チャットAIは、姫路市内の福祉総合相談窓口で利用され、市民が抱える様々な悩みに寄り添う役割を果たしています。特に、24時間いつでも相談ができるシステムは、従来の窓口では難しかった悩み相談を手軽に行える環境を提供しています。
実証実験は2023年10月17日から12月17日までの2ヶ月間にわたって行われ、期間中には521件の相談が寄せられました。そのうち161件は、関連機関への案内を行うなど、具体的なサポートにつながったのです。
市民の多様なニーズに対応
姫路市では、社会の変化に伴い、市民の悩みも多様化しています。特に、SNS相談や匿名でのやり取りを好む若年層のニーズに応えるため、デジタル化の取り組みが進められています。実施されたアンケート結果からは、約30%の市民が何らかの問題を抱えながらも相談できていないという実態が浮き彫りになりました。それを受けて、このチャットAIはより多くの市民にとっての「つながる場所」となっています。
対話の実績とユーザーの声
実証実験期間中、AIと市民との対話時間は合計192時間を超え、ユーザー満足度は70%に達しています。特に若年層が多く利用したことが特徴で、相談者の属性に変化が生まれました。利用者からは、「気持ちに寄り添ってもらえた」「友達に話せないことをAIに話せてホッとした」という声もあがり、AIがもたらす安心感が確認されています。
これからの展望
姫路市の担当者は、ネットを通じた生成AIへの相談が新たな世代との接点を築く方法として非常に有効であったと評価しています。今後はこのAIチャットを入り口として、さらなる専門機関へのサポートにつなげていく意向を示しています。
ZIAIは、今後も社会の一員として、誰もが気軽に悩みを相談できる環境を整えていく計画です。これからの生活において、こうしたテクノロジーによるサポートがますます重要になってくるでしょう。姫路市の取り組みは他の自治体へのモデルケースとなることも期待されています。