壱岐島での猫救済活動の新たな一歩
長崎県壱岐市は、いま深刻な猫問題に直面しています。飼い主のいない猫たちが増え続け、その対策として公益財団法人どうぶつ基金が新たに「イキイキさくらねこTNR」というプロジェクトを発表しました。このプロジェクトは、2025年4月から2026年3月までの1年間におよんで、壱岐島内の猫3,000頭に無料で不妊手術を施し、殺処分ゼロを目指すものです。
プロジェクトの背景と目的
壱岐市は長崎県内でも殺処分数が最も多く、動物病院も不足している現状です。島の住民からは、不妊手術に関する多数の問い合わせが寄せられ、飼い猫の繁殖問題が深刻化しています。このため、壱岐市とどうぶつ基金が協力し、集中的なTNR(Trap-Neuter-Return)を実施することとなりました。
TNRとは、猫を捕獲し、不妊手術を施した後に元いた場所に返す活動です。この手法は、猫を殺さずに数を減らす最も人道的な方法とされています。
活動の実施計画
「イキイキさくらねこTNR」プロジェクトは、以下の日程で実施される予定です。
- - 2025年4月27日 - 5月2日(6日間)
- - 2025年5月20日 - 5月26日(7日間)
- - 2025年6月17日 - 6月23日(7日間)
- - 2025年7月27日 - 8月5日(10日間)
- - 2025年8月21日 - 8月30日(10日間)
- - 2025年9月21日 - 9月30日(10日間)
- - 2025年10月20日 - 10月28日(9日間)
- - 2025年11月17日 - 11月25日(9日間)
- - 2025年12月15日 - 12月23日(9日間)
- - 2026年1月23日 - 1月30日(8日間)
- - 2026年2月16日 - 2月25日(10日間)
- - 2026年3月13日 - 3月20日(8日間)
期間中、島内各地域で獣医師やボランティアたちが協力し、不妊手術を受ける猫の捕獲作業を行います。目指すは年間3,000頭の不妊手術です。
地域と協力する活動
壱岐市の篠原市長もこのプロジェクトに興味を持っており、視察に訪れるなど、地元との連携が強化されています。地元ボランティアや獣医師とタッグを組むことで、地域全体で猫問題解決に取り組む姿勢が評価されています。どうぶつ基金の理事長、佐上邦久氏も「壱岐島が人と猫が幸せに共生できる島に生まれ変わることを目指す」と意気込みを示しています。
終わりに
壱岐市でのTNRプロジェクトは、ただ猫を減らすことを目的としているだけではありません。すべての猫が幸せに暮らせる未来を目指し、地域全体が一丸となって取り組む姿勢が大変重要です。このプロジェクトが成功すれば、壱岐島は新たな地域モデルとなり、他の地域にも同様の活動が広がることが期待されています。今後の進展に注目しましょう。