関西エリアの製鉄・火力発電向け大規模CCS共同検討の始動
大阪ガス株式会社と株式会社神戸製鋼所は、関西エリアにおける製鉄および火力発電分野で排出される二酸化炭素(CO₂)を対象とした大規模CCS(Carbon Capture and Storage:CO₂回収・貯留)の実現可能性に関する初期調査を共同で行っています。この調査は、CCSのバリューチェーンの基本的な構成を評価し、今後の課題を整理することを目的としています。
CCSの重要性
日本国内では、再生可能エネルギーの導入拡大や天然ガスへの燃料転換が進められていますが、製鉄や火力発電などの分野では排出削減が困難なケースが多いため、中長期的な排出削減に貢献できる技術としてCCSが注目されています。CCSを活用することで、これらの難削減分野でも温室効果ガスを削減する手段が模索されています。
共同検討の背景
大阪ガスは、2023年5月にシェル社との共同検討をスタート。国内の排出源からCO₂を回収し、これらを海外の地層に貯留するCCSバリューチェーンの構築を目指しています。同社は泉北天然ガス発電所におけるCO₂のCCU(Carbon Capture and Utilization;回収・利活用)やCCSについても検討しています。
神戸製鋼所の加古川製鉄所を対象とした調査は、2025年6月から2026年3月にかけて行われます。この調査では、製鉄所からのCO₂回収、液化、貯蔵、出荷、さらには海外への輸送などの過程に関する技術的な成立性や概算コストの評価が行われます。これによって、海外における恒久的な地層貯留を含めたCCSバリューチェーンの構築が検討されます。
調査内容の詳細
本調査では、主に以下の3点が焦点となります:
1. 加古川製鉄所でのCO₂回収及びその後の液化・貯蔵・出荷に関する技術的成立性の評価。
2. 各工程に関連する概算コストと制度面における重要な論点の整理。
3. 上記を基にした、海外での地層貯留を想定したCCSバリューチェーンの評価。
これらの調査結果を踏まえ、関西エリアにおけるCCSの基本的な構成を描きつつ、今後の課題としてコスト、政策的支援、規制・制度、関係者間の連携を整理します。
今後の展望
大阪ガスと神戸製鋼所は、CCS技術について引き続き中長期的な視点で検討を行い、脱炭素社会への貢献を目指していく方針です。大阪ガスは、「エネルギートランジション2050」の理念のもと、気候変動対応に向けた技術開発に努めています。また、神戸製鋼所は、同社の「KOBELCO-X」プログラムを通じて、魅力ある企業への変革を進め、「カーボンニュートラルへの挑戦」を掲げています。
この共同検討は、関西エリアにおける持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。今後の進展に注目です。