兵庫県での新たな測量技術の実証実験
古野電気株式会社が、兵庫県土木部と連携し、ダムにおける堆砂量計測の効率化を目指した実証実験を実施しました。この実験では、水上ドローンボート「FBUSV-1」なるマルチビームソナーを搭載した新しい測量機器が導入され、計測精度の向上が図られています。
実験の目的と背景
兵庫県内には21のダムが存在し、土木部は毎年1~2回のペースで堆砂測量を行っています。従来はシングルビームソナーや重りを使った方法が主流でしたが、これらは時間がかかり、計測精度にも限界がありました。最近ではデジタル技術を活用した効率的な測量手法が求められており、そこで登場したのが水上ドローンボート「FBUSV-1」です。
実証実験の詳細
実験は2025年11月6日に行われ、兵庫県三田市の青野ダムで実施されました。約40ヘクタールの面積を対象にし、過去の計測線に沿ってダムを横断する形でデータ収集が進められました。この新しいマルチビームソナーは、より広い範囲を短時間で測定できるため、堆砂形状の実態把握が容易になります。
測量時間の効率
実験の結果、従来の方法と比較して準備・撤去の時間が大幅に短縮されました。具体的には、シングルビーム測量の準備には2.5時間を要していましたが、FBUSV-1ではその時間が0.5時間に短縮されました。また、計測自体もシングルビームの3時間に対し、FBUSV-1では2時間での完了が可能でした。さらに、計測精度も向上し、従来の2D計測から高解像度の3D計測が実現したことで、堆砂量の解析もより正確に行えるようになりました。
FBUSV-1の特徴
この新たな水上ドローンボートの特徴は、エントリーモデルとして設計されていることです。最小限の知識で運用できるため、初心者でも容易に導入が可能です。また、軽量でコンパクトなデザインにより、最少2人の作業で運用でき、特に有人船が入れない浅瀬でもデータを収録できる優れた性能を持っています。
さらに、全体が一体となった設計で、各種のサポート体制も整備されています。CADフォーマットでのデータ出力に対応し、測量結果を迅速に活用できるよう配慮されています。
今後の展望
古野電気株式会社は、「安全安心・快適、人と環境に優しい社会」の実現に向け、今後も水上ドローン技術の発展を追求するとしています。この技術はダムの測量だけでなく、ため池や河川、湾岸エリアでも応用が期待されます。新しい測量法が普及することで、より効率的かつ正確な水質管理や環境保全が進むことでしょう。
このように、兵庫県の実証実験は水上ドローン技術の進化を示す重要なステップとなりそうです。