新明和工業とレシップが開発した「G-SUPPORT」
新明和工業株式会社とレシップ株式会社が共同開発した廃棄物収集業務を効率化するシステム「G-SUPPORT」が、2025年12月22日から販売を開始します。これにより、廃棄物収集の現場における業務効率と安全性が大幅に向上することが期待されています。
G-SUPPORTの狙いと背景
近年、日本の廃棄物収集業界は深刻な人手不足や高齢化が進んでおり、現場では従来の「ベテラン」ドライバーの経験やノウハウに依存しがちです。また、従来の業務は電話連絡や紙ベースの地図、手書きの日報に頼っているため、効率化が求められていました。このような背景を受けて、新明和工業は70年以上にわたり業界シェアを持つ塵芥車のノウハウを活用し、ITと位置情報技術をもつレシップと手を組んで「G-SUPPORT」という革新的なシステムの開発に踏み切りました。
G-SUPPORTの機能
1. ドライバー支援機能
「G-SUPPORT」には、専用の車載通信機器「LIVU」が搭載され、以下の機能が提供されます。
- - ナビゲーション支援: 熟練者のノウハウを基にしたルート案内や、収集地点の地図を表示します。新しいドライバーでも、効率的に業務を遂行できるようになります。
- - 音声案内機能: 走行中の右左折のタイミングを音声で案内し、適切なルートを安全に案内します。
- - リルート機能: 突発的な応援要請に基づいて、最適ルートを自動生成し、効率的な収集が可能です。
- - 日報の電子入力: 停車時にタッチパネルで簡単に報告を行え、業務後の日報作成の手間を大幅に削減します。
2. 管理者支援機能
管理者は、車両の運行状況や積載状態をリアルタイムで把握できるため、効率的な指示出しが可能になります。
- - 位置情報の見える化: 管理画面で、全車両の現在位置や作業状態をリアルタイムで確認できます。
- - 応援要請のデジタル化: 状況に応じて適切な車両を選び、迅速に支援要請を行えます。
- - 収集ポイントの管理: 収集ポイントをCSVファイルで登録し、手間なく効率的に走行ルートが自動作成されます。さらに、メンテナンス通知機能もあり、車両の寿命を延ばすことが期待されます。
3. DX・業務効率化
日報の自動生成やデジタルデータの蓄積が可能になり、業務の効率化が進みます。これにより、長時間労働の軽減や、作業実績に基づくより良い配車計画の策定が可能になります。
実証実験と反響
本システムは、実際の業務環境において実証実験を行い、その結果、業務効率向上や負担軽減に期待が寄せられました。これに基づき、商品化に至りました。
未来の展望
新明和工業とレシップは、このシステムを2030年までに5,000台導入を目指し、全国の自治体や民間の廃棄物収集事業者への普及を展開予定です。さらに、電子マニフェストシステムとの連携機能の強化や、操作性の向上を通じて、より多くのニーズに応えるサービスを提供していく考えです。
詳細情報
「G-SUPPORT」についての詳細は、特設サイトをご覧ください。
これからも新明和工業とレシップは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進し、業界の発展に寄与していきます。