神戸市で実施された多機能舗装「ハイドロペイブ」の実証試験
近年、地球温暖化や都市化による影響で、豪雨災害や猛暑の問題が深刻化しています。特に都市部では、アスファルトやコンクリート製の舗装が多く、雨水が地中に浸透せず、洪水の原因となっています。そんな中、大林組と大林道路が共同で開発した多機能舗装「ハイドロペイブ」が、神戸市と実施した実証試験が注目を集めています。
「ハイドロペイブ」の特徴
「ハイドロペイブ」とは、車道部分に透水性舗装、歩道部分に湿潤舗装を組み合わせた画期的な舗装技術です。透水性舗装は、雨水を地中に浸透させ、下水の流出量を抑える効果があります。これにより、豪雨時にも道路が冠水しにくくなります。また、湿潤舗装は、雨水の一部を貯水し、その水が晴れた日に蒸発することで、周囲の温度を下げる役割を果たします。
実証試験の経緯
神戸市の建設局と共同で実施されたこの試験は、国土交通省が定める「グリーンインフラ創出促進事業」の支援を受けています。試験では、ハイドロペイブを施工した区間(試験区)と従来の舗装(対照区)を比較し、路面温度や雨水の浸透状況を分析しました。
実証試験の結果
実証試験では、晴れた日には歩道部分の路面温度が対照区に比べ約6℃も低いことが確認されました。また、車道の透水性舗装では、約30分で貯水された雨水が地中に浸透するという結果が得られ、豪雨時にも雨水流出を抑制できる可能性が示されました。
今後の展望
大林組と大林道路は、この革新的な「ハイドロペイブ」を都市部に積極的に提案し、豪雨や猛暑の影響を軽減し、より災害に強い街づくりに寄与することを目指しています。
今後もこの技術が広がることで、持続可能な社会の実現に向けた一歩となるでしょう。地域の皆様にとっても、安心して過ごせる街の実現を期待したいものです。
さらに詳しい情報は、国土交通省や神戸市の公式ウェブサイトをご覧ください。これからの動向に注目が集まります。