阪神・淡路大震災から30年を迎える神戸
1995年1月17日、日本の夜を震撼させる大地震が発生しました。阪神・淡路大震災は、都市神戸に壊滅的な被害をもたらし、道路や鉄道が寸断される中、唯一のライフラインとなったのが船でした。特に、当時「シルフィード」として親しまれていた"コンチェルト"は、神戸と大阪を結ぶための臨時航路を速やかに設定し、日々の生活を支える重要な役割を果たしました。
当時、コンチェルトは神戸と大阪間で毎日4往復を行い、人々や物資を運びつつ、土地が復興するのを助けました。この特別な航路の運航は、震災から数日間で設定され、一時的には定員を600名から1000名に増加する特別な許可をもらい、神戸と大阪を結ぶ動脈となっていました。震災の影響を受けつつも、今もなお地域の希望となる船は、多くの人々にとって欠かせない存在です。
船員の証言
2025年、震災から30年を迎えるにあたり、THE KOBE CRUISEでは特別な取り組みが始まります。それは、震災当時を知る船員たちの証言を収集し、後世に伝える道のりです。コンチェルトの機関長、福島弘人氏が語る当時の状況は、まさにその悲劇と復興の記憶そのものです。彼は、震災発生から数日後、船上で人々を助ける運航に従事しており、その経験を未来に伝えるべく動いています。特に、30年前の当日のあの日のような思い出が、彼にとってどれほど重みのあるものだったのかをうかがわせます。
「船が人々をつなぐことができた瞬間、その動きに感動しました。震災の影響を受けた神戸の人々が一旦離れることとなり、私たちの船が一筋の希望の光になったのです」と福島さんは、感慨深く当時のことを語ります。彼の証言は、今も神戸が抱える復興への想いを象徴するものであり、船と人間の繋がりをつなぐ重要な糸を形成しています。
神戸シリーズ2025
さらに、THE KOBE CRUISEは性表な意義を持つイベント「神戸シリーズ2025」をも盛り上げています。オリックス・バファローズが主催するこの特別企画では、選手たちが1995年のオリックス・ブルーウェーブの復刻ユニフォームで戦います。この取り組みは、震災から30年経った今、神戸が同じように伝え続けていくことが必要であるとの想いが込められています。試合は5月31日から8月まで行われ、神戸の力を感じる機会となります。
継承する想い
THE KOBE CRUISEは、このような特別なイベントや活動を通じて、震災の教訓や体験を未来へと受け継ぐ挑戦を行います。震災特別サイトの設立もその一環であり、コンチェルトの航路で繋がった地域の人々の想いを形にする試みです。306年厳しい時期を乗り越え、今も神戸において重要な役割を果たし続ける船──その存在意義を、私たちが直視し、理解することが、更なる地域の発展に繋がるのです。
この節目の年、船が織り成す神戸の物語を再発見する旅に出かけてみませんか。その思いを、皆で共有し、次世代へとつないでいきたいと思います。