廃材の新たな活用法
2025-10-07 11:11:41

給湯器製造の廃材を生かした持続可能な新素材「ゼオカル」の登場

給湯器製造の廃材を生かした新材料「ゼオカル」の登場



兵庫県神戸市に本社を構える株式会社ノーリツは、給湯器などの住宅設備機器を製造する企業として知られています。その特例子会社である株式会社エスコアハーツは、給湯器製造過程で発生する廃材をリサイクルし、ミネラル土壌改良材「ゼオカル」として販売を開始しました。新たな取り組みとして、エコな社会を目指すこのプロジェクトが果たす役割とは何でしょうか。

廃棄物をリサイクルする新たな試み



ノーリツでは、エコジョーズなどの高効率給湯器に中和器を搭載しています。この中和器は、ガス燃焼過程で生成される弱酸性のドレン水を中和するために必要な部品です。中和器内で使用する寒水石の11%が規格外として廃棄されていることが課題となっていました。

そこで、エスコアハーツと福岡県の株式会社サンアンドホープが協力し、この問題を解決すべく、寒水石を再資源化するプロジェクトをスタート。厳選された寒水石を原料とし、カルシウムと天然鉱物ゼオライトを核にして「ゼオカル」ブランドの土壌改良材を生み出しました。

ゼオカルの特長と利点



「ゼオカル」は、園芸・農業分野での土壌環境改善に最適です。主成分のカルシウムは植物の成長を促し、酸性土壌のpHを調整します。さらにゼオライトを加えることで、保水性や通気性を向上させ、養分保持力を強化することができます。この商品は、その効果が約2年持続し、農作業を軽減するための追肥作業も年に1回で済むという効率性を誇ります。

また、ゼオカルの導入により、農業現場での環境負荷を軽減できるだけでなく、持続可能な農業へとつながる一歩となります。

障がい者の雇用促進に向けた取り組み



このプロジェクトにはもう一つの重要な側面があります。エスコアハーツでは、障がいのある従業員が製造ラインで寒水石を選別し、品質チェックを行うことで、彼らの雇用機会を確保する取り組みを進めています。一方、サンアンドホープでは障がい者のスタッフが袋詰めやパッキングなどの製造プロセスに参加し、商品づくりに携わっています。このように、環境保護と社会貢献の両立を目指すことで、持続可能な未来を築く手助けをしています。

今後の展望



両社は、今後も連携を深め、資源循環型社会の実現に向けた取り組みを広げていく予定です。10月14日から全国のホームセンターや農業関連の直販先で販売を開始し、さらには来春にはインターネット業界にも進出する計画があります。

「ゼオカル」は、ただの農業資材ではなく、環境と人々の未来を考えた持続可能な製品です。廃材のリサイクルだけでなく、障がい者雇用の促進を通じて、地域に根ざした社会貢献を果たしていく姿勢には大いに期待が寄せられています。これからの成功に向けた道のりを見るのが楽しみです。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

関連リンク

サードペディア百科事典: ノーリツ ミネラル土壌 ゼオカル

トピックス(グルメ)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。