神戸市で進化する下水道管調査の取り組み
最近、神戸市において、株式会社Liberawareが開発したドローン「IBIS2」を活用した下水道管の調査が実施されました。この取り組みは約600メートルにわたる下水道の検査を成功に収め、市のインフラ維持管理に貢献する重要な事例となりました。これによりドローン技術がインフラ点検の標準モデルとして定着することが期待されています。
背景と課題
国土交通省のデータによれば、2023年度の時点で日本全国の下水道管渠の総延長は約50万キロメートルに達しています。そのうち、耐用年数が過ぎた古い下水道管の延長は約4万キロメートルにも及び、20年後にはさらにその割合が増加する見込みです。この状況を受け、老朽化したインフラの点検・維持管理は喫緊の課題となっています。
さらに、2025年1月には埼玉県で下水道管の破損により道路が陥没する事故が発生し、国土交通省は各地での緊急点検を要請しました。神戸市でも、従来の方法では調査が困難な場所が存在し、この問題解決のためにドローンを使った新たな手法を採用する運びとなりました。
ドローン調査の実施
実施された調査では、口径1,800mmの下水道管の内部に、「IBIS2」が飛行し、現場の動画を撮影する方法で行われました。作業員が立ち入れない状況においても、ドローンが自動で撮影を行い、一日で約600メートルを瞬時に検査しました。このアプローチにより、従来の目視やテレビカメラでは実施が難しかったデータ収集が実現しました。
調査結果と今後の展望
取得したデータは、異常判定を行うための貴重な素材となり、これまでの調査方法を見直すきっかけとなることでしょう。これを踏まえて、新たな調査手法モデルの構築が進んでいます。今回の取り組みは、ドローン技術の浸透と性能向上のための第一歩と捉えられ、今後も地道に活用事例が蓄積されることが期待されています。
このように、神戸市ではドローン「IBIS2」を通じて下水道管調査の新しい基準を打ち立て、維持管理のコスト削減、効率化を同時に目指しています。全国的に見ても、このような先進的なアプローチは他の地域にも波及する可能性が高いでしょう。
会社概要とビジョン
株式会社Liberawareは、ドローンを用いたインフラ点検サービスのパイオニアとして知られています。「誰もが安全な社会を作る」というミッションを掲げ、狭く危険な場所での点検に特化したドローンを開発してきました。今後も、技術革新を進め、国のインフラ維持管理に貢献していく方針です。これからの動向に注目です。