兵庫県において、国産オーガニック給食の実現に向けた新たな一歩として、三者協定が締結されました。この取り組みは、株式会社泉平、生活協同組合コープ自然派兵庫、一般社団法人日本有機加工食品コンソーシアムという、三つの異なる組織が協力する形で展開されます。2025年5月16日(金)に結びつけられたこの協定の核心は、兵庫県内でオーガニック給食に必要な生産、加工、流通のプラットフォームを構築し、自治体への導入提案や連携を進めることです。
近年、全国的にオーガニック給食への関心が高まり、2023年度には約1,740の市区町村のうち278が有機農産物を導入しており、前年より44%増加しました。特に兵庫県では、豊岡市や神戸市など9つの市町が「オーガニックビレッジ」宣言を行い、学校給食でのオーガニック食材導入が加速しています。この背景には、環境への負荷を減らし、子どもたちの健康を守ることが重要視されているからです。環境、農業、食のあり方を学ぶ食体験を通じて、地域農業の再生や活性化を図ることが求められています。さらに、「みどりの食料システム」や「オーガニックビレッジ」といった国家戦略とも連動した取り組みが進む中、オーガニック給食は私たちの未来を豊かにする道筋ともなります。
新協定では、株式会社泉平が西日本を中心に学校給食の食材提供を行い、一般社団法人日本有機加工食品コンソーシアムが原料の調達を支えます。生活協同組合コープ自然派兵庫は地域の食育活動を担い、国産のオーガニック食材を学校給食に導入することが期待されているのです。このように、各組織の専門性と地域に広がるつながりを活かすことで、国産オーガニック給食の実現が期待されます。
オーガニック給食の導入を促進するには、確固とした目的と財源の確保が不可欠です。特に、高価な国産オーガニック食材を学校給食にスムーズに取り入れるためには、自治体や消費者への働きかけが重要です。各地域で異なる食材調達のルールやニーズに応じた提案を行うことも、私たちの使命です。
具体的には、まずは国産オーガニックの冷凍野菜を給食向けに取り扱い、効率的な調理を可能にします。カット済みの冷凍ほうれん草やにんじんダイスなど、時と場所を選ばず大量調理できる食材は、学校給食にとっても大きな助けとなるでしょう。
この三者協定は、単なる契約以上の意味を持ちます。それぞれの組織が独自の領域で力を合わせ、地域のニーズに応えることで、持続可能で環境に優しい食文化を形成していくことを目指します。安心・安全な給食を通じて、次世代を担う子どもたちの健康を守ると共に、地域の農業を活性化し、地球環境の保全ににも寄与していきたいと考えています.
こうした取り組みは、ただ食材を提供することに留まらず、地域の人々が環境や食について学び、共に成長する機会を提供していくことで、持続可能な未来を築くための一助となるでしょう。今後の進展にぜひ注目していきたいところです。