医療現場のイノベーションに向けた一歩
兵庫県では、少子高齢化の進行に伴い、地域医療の維持・向上に向けた取り組みが急務となっています。特に、看護職の確保や育成は、全国的な課題として浮き彫りになっています。このような中で、クオトミーが「ひょうごTECHイノベーションプロジェクト」に採択され、はりま姫路医療センターでの実証実験を開始することになりました。このプロジェクトは、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)を活用し、医療現場の業務解消や効率化を図るものです。
プロジェクトの背景と目的
地域の医療環境では、外科系医療における業務が特に複雑です。手術の計画、伝達、準備、人員配置など、多様なタスクが相互に絡み合い、限られたリソースが圧迫される現実があります。これらの課題に対処するためには、業務の合理化とスタッフに優しい職場環境を作ることが欠かせません。その解決策として、クオトミーが開発したDX/AIソリューションが期待されています。これにより、看護師の人員配置や業務管理の効率化を目指します。
ひょうごTECHイノベーションプロジェクトとは
「ひょうごTECHイノベーションプロジェクト」は、兵庫県が展開している取り組みで、地域の社会課題に対してスタートアップなどが持つ先端技術を活用することを目的としています。具体的には、地域医療の中核を担う医療現場において、看護業務をクラウドベースで管理し、最適な人員配置を実現するためのプロジェクトです。
実証実験の詳細
実証実験では、はりま姫路医療センターの手術室業務に特化したクラウドシステムを使用します。このシステムを用いれば、手術室看護師の人員配置や業務の進捗を効率的に管理できます。初期段階では、外科系診療科における手術予定を可視化し、業務の負担を軽減することを目指します。
さらに、手術看護部門では、手術の専門性に応じた最適な人員配置と、医療機器の納品や進捗管理が行える仕組みを導入し、業務負担を軽減します。そして、実証実験が進む中で、他の病院との連携を強化し、全国で類似の課題を抱える医療現場に対するソリューションの展開を図っていく予定です。
キックオフイベントの様子
2025年10月3日に行われたキックオフイベントでは、「ひょうごTECHイノベーションプロジェクト」の採択された全プロジェクトが一堂に会し、成果や展望を発表しました。兵庫県立はりま姫路総合医療センターの黒田さまとクオトミーの代表、大谷が登壇し、それぞれの取り組みの詳細やビジョンを語りました。
今後の展開に期待
このプロジェクトの成功は、医療現場の働きやすさを向上させるだけでなく、看護師の業務効率化にも寄与することが期待されています。全国の医療機関において、患者へのサービス向上と医療安全が同時に実現されるような環境を作ることが、このプロジェクトの使命です。要するに、医療者が本来すべき業務に専念できるような体制を構築し、より良い医療を提供する未来に向けた第一歩となります。今後の進捗から目が離せません。