千石、大洋精機を傘下に
2025-04-02 10:21:01

株式会社千石が大洋精機を傘下に迎え新たな成長へと舵を切る

株式会社千石が大洋精機を傘下に迎え新たな成長へと舵を切る



兵庫県加西市に本社を構える株式会社千石が、同じく加西市にある大洋精機株式会社の株式を譲渡されることとなりました。この契約は2025年2月10日に締結され、正式には2025年3月27日付で千石グループに参画が完了しました。これにより、千石と大洋精機が連携し、新たな事業の展開が期待されています。

株式譲渡の背景



千石は自社ブランド事業、OEM事業、部品製造の3つの柱を基に、ものづくりの革新を追求しています。創業以来、プレス加工技術を活用して、家電製品の下請けとして数多くの製品を支えてきました。特に「アラジン」ブランドの製品は、2005年に権利を取得して以来、飛躍的な成長を遂げ、同社において重要な存在となっています。これに加えて、特許技術を譲り受け、その技術を基に進化させた「グラファイトトースター」を製造し、ユーザーに支持されています。

大洋精機は自動車産業向けの精密加工を主力としており、特にアルミ加工において優れた技術と厳しい品質管理が特徴です。このグループ化は、千石にとって新たな成長を促進させる大きなチャンスとなりそうです。

技術とノウハウの融合



両社の協業により、大洋精機の高精度な金属加工技術と千石の製造技術を融合させることで、製品の品質向上と競争力を強化することが見込まれています。また、千石の効率的な生産ノウハウを大洋精機が享受することで、共に顧客に新たな価値を提供し、市場の広がりが期待されています。

例えば、大洋精機の切削技術を利用して「ガバナ」と呼ばれるカセットコンロの部品の加工を行うなど、実用性の高い製品を生み出す計画が進行しています。この部品は精密な加工が求められ、国内において製造できる企業は限られています。さらに、千石が手がける給湯器関連の部品も、外部依存から内製化に移行するために、大洋精機の技術を活用します。これにより、生産コストの削減と品質の安定化が同時に実現できると期待されています。

今後の展望



千石グループは「唯一無二のものづくり技術」を確立し、変化の激しい市場環境において持続的な成長を目指しています。そのためには、自社の製造技術の向上だけでなく、異なる業種のノウハウを組み合わせて新たな価値創造を行う必要があります。ここで大洋精機の技術力が大いに活かされることでしょう。

株式会社千石の代表取締役である千石滋之氏は、大洋精機が地域での信頼を得てきた企業である点を評価し、両社の協力による次世代への技術の継承を目指しています。こうした協力関係が、千石グループ全体のシナジーを生み出し、新たなビジネス機会を創出することへと繋がることが期待されています。

経営体制の変化



株式譲渡に伴い、新たな経営体制も整備されました。大洋精機の高橋淳社長は会長職に就任し、千石の千石滋之社長が大洋精機の新しい社長として経営を担います。このように、両社の経営陣が重複することで、技術の継承と経営の円滑な進行が期待されています。

今後も千石グループは、単なる製造企業としてではなく、独自の技術力を活かした「価値創造型企業」へと進化を遂げるためのあらゆる取り組みを行っていきます。


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