兵庫医科大学病院、AI活用の診療支援ツールを全国初導入

兵庫医科大学病院が新たなAI技術を導入

2025年6月1日、兵庫県西宮市に位置する兵庫医科大学病院が、株式会社medimoにより開発された医療支援ツール「medimo（メディモ）」を導入しました。この導入は全国の大学病院の中でも初の試みとなります。

「medimo」は音声認識技術と生成AIを活用した革新的な診療支援ツールで、医療現場での会話を自動的に文字起こしします。さらに、生成AIがそれを要約し、電子カルテに記録する時間を大幅に短縮することが可能です。特に、医師による病状説明や患者へのインフォームドコンセント（治療や手術に際する説明と同意）において、このツールが非常に役立つとされています。

効果と期待

兵庫医科大学病院は、「medimo」の導入を通じてさまざまな効果を期待しています。主なものには以下のような点が挙げられます：
1. 医師の記録時間が大幅に削減：医療現場での説明や質疑応答を迅速に記録できるため、医師は本来の診療に集中できるようになります。
2. 記憶に頼らない正確さ：従来のように診療後に内容を思い出す必要がなく、リアルタイムで正確な情報を記録できます。
3. 後日確認の容易さ：録音データにより、説明内容を後から確認することが可能です。
4. 医師の説明スキル向上：AIが要約を行う過程で、わかりやすく明確な説明を意識することが求められるため、医師の説明スキルが向上します。

音声データの活用法

実際には、医師は専用のスマートフォンを使用し、患者への説明を録音します。この音声はリアルタイムで文字起こしされ、終了後にはAIが要約を行いまります。約1,000字に要約された内容は、2次元バーコードに変換され、電子カルテ端末でスキャンすることで、記録作業がわずか1分で完了します。

この方式は、医療業務における効率化の新しい形を示しています。導入初期では各診療科から選ばれた医師によって運用が始まっており、その要約精度には高い評価が寄せられています。今後はシステムの安定運用を確認した後、全ての医師がこの技術を利用できるようにする予定です。また、将来的には看護師をはじめとする他の医療スタッフへの展開も計画されています。

株式会社medimoの理念

株式会社medimoは「最先端テクノロジーで医療現場を持続可能に」というミッションを掲げています。2022年に創業されたこのヘルステックスタートアップは、AIをコア技術とした音声入力とAI要約を用いたwebアプリ「medimo」を開発し、医療従事者が煩雑な書類業務から解放されることを目指しています。これにより、医療現場の効率化と持続可能な医療の実現に寄与することを目指しています。

新たな技術の導入により、兵庫医科大学病院は、地域の医療サービスの質を一層向上させていくことでしょう。今後の取り組みに期待が高まります。