転倒予防の新光研究
2025-08-13 09:43:30

明石仁十病院と医療照明の共同研究が国際誌に掲載!転倒予防の新たな光の可能性とは

明石仁十病院と山田医療照明の新たな共同研究



兵庫県明石市の明石仁十病院が、山田医療照明株式会社との共同研究を通じて、国際医学誌『Healthcare』に画期的な研究成果を発表しました。この研究では、入院患者にとって非常に重要なリスクである「転倒」に着目し、概日照明がその予防にどのように寄与するかを調査しました。

研究の背景と目的



近年、高齢化社会が進む中で、入院患者の転倒は深刻な問題として扱われています。転倒による怪我は、入院期間を長引かせるだけでなく、患者の生活の質を大きく損なう可能性があるため、効果的な予防策が求められています。この研究では、自然の昼夜リズムを意識した照明環境、すなわち「概日照明」が入院患者の転倒リスクを低減させることができるのかを検証しました。

研究方法



この研究は、明石仁十病院の一般病棟と回復期リハビリテーション病棟で実施されました。研究者たちは、病棟の移転改築後に導入された概日照明環境下で入院した患者(介入群)と、移転改築前の従来の蛍光灯照明下で入院した患者(対照群)を比較しました。入院患者の転倒経験の割合を調査する後方視的観察研究として実施され、総計で416名の患者が対象となりました。

概日照明の特長



概日照明は、我々の体内時計に合わせた特別な照明技術で、朝から日中にかけては活動を促す爽やかな光、夕方から夜にかけてはリラックスを促す穏やかな光に変化します。このように時間帯に応じて光の色や強さが調整されることで、入院患者の心身の健康を支援します。具体的には、介入群では午前7時から正午までの間にメラノピック照度275以上を保つよう設定されました。

研究結果と意義



研究の結果、概日照明を導入した改築後の病棟では、転倒を経験した患者の割合が15.0%から7.4%へと約半分に減少したことが確認されました。この結果は、照明環境を整えることで医療現場における転倒事故を減らす新たな手法を提供する可能性を示唆しています。特に、高齢者や他の転倒予防策が困難な患者にとって、この活動は希望となるかもしれません。

今後の研究と期待



今回の研究は、照明が療養環境において重要な役割を果たすことを改めて示しました。今後は、概日照明が入院患者の転倒予防にどのように作用するか、そのメカニズムについてさらなる研究が進むことが期待されます。

明石仁十病院について



明石仁十病院は、「病める人のため」に質の高い医療介護サービスを提供することを理念とし、患者の皆様に向けて包括的な医療を行っています。この病院では、内科から脳神経内科、整形外科、泌尿器科など多岐にわたる診療科目を設けており、149床を有しています。その努力は地域に根ざした医療提供に貢献しています。

最後に



本研究の成果は、今後の医療現場に新たな視点をもたらすかもしれません。転倒予防の新たな手段としての概日照明の可能性について、今後も注目していきたいと思います。


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