アマミノクロウサギと猫
2026-07-21 13:34:14

奄美大島のアマミノクロウサギとイエネコ問題、どうぶつ基金が反対活動を展開

奄美大島のアマミノクロウサギとイエネコ問題、どうぶつ基金が反対活動を展開



公益財団法人どうぶつ基金(以下、どうぶつ基金)は、環境省がイエネコ(ノネコを含む)を「防除推進外来種」として指定する方針に反対する署名活動を行っています。これは、奄美大島の生態系において重要な個体数が確認されているアマミノクロウサギの保護に関わる重要な問題です。どうぶつ基金は、環境省の発表に基づく調査結果をもとに、猫の駆除が真に必要であるのか再検討を呼びかけています。

アマミノクロウサギの現状



環境省によると、アマミノクロウサギの個体数は2003年度には2,329頭と推定され、その後急速に増加し、2021年度には19,558頭に達しています。この間、猫の捕獲活動が始まる前から、すでに個体数は増えてきたことがデータで示されています。実に、猫の存在はあるにも関わらず、アマミノクロウサギの数は約5倍に増加しているのです。

具体的にみると、アマミノクロウサギは駆除開始の2018年以前から増えており、駆除开始後の数年間でも増加傾向は変わらないことが明らかになっています。駆除前の4年間に対し、駆除後の4年間ではほぼ同等の増加率を示しています。このことから、どうぶつ基金は駆除の効果に疑問を投げかけています。

飼い猫とノネコの関係



どうぶつ基金の調査によれば、奄美大島の集落には登録された飼い猫が数千頭も存在します。一方、環境省が捕獲した猫の中には、耳に印を付けた「さくらねこ」も含まれており、その割合は年々増加しています。これにより、飼い猫と野良猫の見分けがつきにくく、どの猫を捕獲しているのかが不透明である現状が浮かび上がります。

環境省は「飼い猫とノネコの区別が難しい」と認めていますが、捕獲された猫の大部分が不妊去勢手術を済ませた猫である可能性が高まっています。このような状況下で、果たして猫の駆除が必要なのでしょうか?

駆除コストとその効率性



捕獲活動に要する予算も増加しており、環境省は2018年度から2022年度までの間に、捕獲に要するコストを約3倍増加させています。その中で、1頭の猫を捕獲するためのコストは平均で約48万円近くに達しています。この数字を見れば、いかに効率的でないかが明らかです。

どうぶつ基金は、同じ金額であれば多くの猫に対する不妊手術を実施できることを証明しており、「捕獲よりも適正飼養とTNR(不妊去勢手術と元の場所に戻す活動)がより効果的である」と主張しています。

環境省の姿勢とどうぶつ基金の反論



環境省の見解によれば、アマミノクロウサギがノネコに捕食されていることは間違いないと言われています。しかし、どうぶつ基金は科学的根拠が不十分な段階での駆除活動には反対しています。環境省が「早めに対策を」という姿勢を示している一方で、どうぶつ基金はその根拠の不明瞭さを指摘しています。

さらに、環境省は公式文書とメディア取材の回答が食い違うという矛盾も抱えています。具体的には、世界自然遺産登録に関連した発言が公式文書とは異なり、政府の姿勢が明確に示されていないのです。

様々な意見が交差する中で



どうぶつ基金は、署名活動を通じて広く市民に協力を呼びかけ、より良い結果を目指しています。生態系を維持しつつ、地域の猫の管理を適切に行うためには、より多くの人々がこの問題に関心を持ち、行動することが求められます。

猫が単なる外来種であるという捉え方から脱却し、人間と長い歴史を共有してきた動物としての視点が必要です。最終的には、アマミノクロウサギも含め、地域の生物たちが共存できる社会を築いていくことが重要です。どうぶつ基金の活動は、その一助となることを目指しています。

署名活動について詳しくは、どうぶつ基金の公式サイトをご覧ください。


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