古野電気が目指す操縦性能の向上
古野電気株式会社(兵庫県西宮市)と株式会社新来島サノヤス造船が共同で進めた研究で、実船スケールにおいてタンカーの左右旋回運動がCFD(計算流体力学)を用いて高精度に再現されました。この取り組みは、実際の商船における旋回運動の精度を向上させることを目的としています。
実船計測データとの比較
研究チームは、特に実船スケールでの旋回動作を対象に深い分析を行いました。そして、このCFD解析の結果を実船計測データと比較することで、その予測精度を確認したのです。実験の結果、船舶の旋回圏において右舷では誤差が1%未満、左舷でも5%未満という驚異的な精度が実現されました。
操縦性能評価の重要性
海運は全球規模の物流を支える重要なインフラであり、衝突や座礁のリスクを下げるためにも船舶の操縦性能の精度向上が求められています。従来の方法では、大掛かりな試験設備や人員が必要で、さらには天候や海象の影響を受けやすいため、コストが高くつくことが課題とされていました。
そこで古野電気ではCFDを活用し、実船スケールでの流体現象と船体の動きを数値的に再現することで、操縦性能の評価を効率化し、同時に精度向上を目指しています。
今後の発展への期待
CFDを用いることで、実際の船舶の操縦における挙動をリアルタイムに再現可能となり、今後の商船の安全運航やエネルギー効率の改善に寄与することが期待されます。また、CFD解析の結果は「日本船舶海洋工学会 秋季講演会2025」や国際会議「Symposium on Naval Hydrodynamics(SNH)2026」においても発表され、専門家たちにその技術的価値を認められています。
まとめ
古野電気は、この取り組みを通じて船舶の操縦性能を高精度に予測できる技術を確立し、未来の安全で持続可能な海運を支えるための第一歩を踏み出しました。これからも、実測値との差異の要因分析や解析モデルの簡略化に向けた取り組みを進めていく方針です。古野電気のCFD解析による操縦性能の向上が、今後どのように実運航に役立つのか、注目が集まります。