神戸女子大学が消費者被害防止に取り組む
神戸女子大学(神戸市中央区)の心理学科に所属する学生たちが、兵庫県立消費生活総合センターと連携し、消費者被害を防ぐための新たな取り組みを始めました。最近、インターネットショッピングに関連する詐欺の増加が懸念される中、学生たちは消費者ホットライン188の認知度を高めることを目的に、オリジナルの啓発ステッカーを制作しました。
学生たちの創意工夫を反映したステッカー
学生たちが考えたキャッチコピー「焦るPay(支払い)が思わぬPain(痛み)に」は、正しい判断を妨げる詐欺手法の危険を伝えるものです。詐欺業者は、「残りわずか」「期間限定」といったフレーズを使用し、消費者に焦りを与える手法を取ります。このような手口に引っかからないための重要なメッセージが込められています。
注意喚起のデザイン
ステッカーは記憶に残りやすい色使いとデザインが特徴で、特に警告の色である黄、黒、赤を基にして人の注意を引くように工夫されています。また、痛みの表現を強調したフォントにより、消費者が陥りやすい落とし穴への警告を与えています。ステッカーには消費者ホットライン188の連絡先も記載され、すぐに相談できる環境の重要性も伝えています。
防災意識の向上も目指して
さらに、今回の取り組みは消費者被害防止と共に、防災意識の向上も目的としています。兵庫県では、2025年1月に阪神・淡路大震災の発生30年を迎えるにあたり、学生たちはその意義も考慮しました。制作したステッカーを用いた防災グッズを通じて、消費者被害防止と共に、災害時にも注意が必要であることを訴えていきます。
そのため、1月10日には消費生活講座で、1月17日には「ひょうご安全の日のつどい・交流ひろば」で、ウェットティッシュや非常用目隠しポンチョなどに啓発ステッカーを貼り、参加者に配布されます。
活動の背景
心理学科の学生たちは、「心理学研究総合演習」のフィールドワークとして消費生活情報プラザを訪れ、消費者が抱える課題を理解しました。特に、成人年齢の引き下げによる若者のトラブル増加や、インターネットショッピングにおける詐欺の実例を学ぶことで、消費者被害の現状を実感しました。学生たちは、こうした問題に立ち向かうための防止策が必要であると感じ、啓発活動を行うことにしたのです。
今後の展望
今後、制作したステッカーは防災用品や文具などに貼られ、さまざまなイベントで配布される予定です。学生たちの思いが詰まったこの活動が、多くの人々に消費者被害の危険を伝えられることを期待しています。
この取り組みは、消費者としての意識を高めるだけでなく、地域全体の防災意識の向上にもつながる重要な活動です。詳細については、兵庫県立消費生活総合センターまでお問合せください。