摂食障害予防に向けた新たな取り組み『キュアード』
摂食障害は、特に青年期に多く見られる心の問題であり、早期の理解と予防が重要です。それを踏まえ、神戸学院大学心理学部の竹田剛准教授が、当事者とともに開発した教育ボードゲーム『キュアード』が無償で公開されることになりました。これは、単なる知識の提供だけでなく、体験を通じて理解を深めることを目的とした新しいアプローチです。
『キュアード』の特長
『キュアード』は、からだやこころ、人間関係における問題をカードで可視化し、参加者が協力して「回復」を目指す体験型の教育教材です。専門家の監修により設計されており、高校生に対する効果研究ではその有効性が確認されています。
主な特徴には以下の点があります:
1.
豊富な情報:90点以上のイラストや言葉が、研究や教育、臨床の知見に基づいて精緻に調整されています。
2.
リアルな体験:ゲームを通じて参加者が協力し合い、時には意見がすれ違うことも体験しながら「人とのつながりが回復を助ける」ことを実感できます。
3.
表現の質:イラストや文章は、実際の当事者が確認し、実感が伝わる形で表現されており、誇張を避ける工夫が施されています。
4.
専門家の監修:心理的安全性を考慮し、直接的な描写や過度に不安を与える表現は避けられています。
5.
多様な使用方法:プレイ型だけでなく、カードを用いた文脈読解の演習としても使うことができ、教育現場での活用が容易です。
また、ゲームを題材とした解説小冊子も用意されており、発展的な学習を促進します。
実際の成果
『キュアード』はこれまでいくつかの教育機関で実施されており、その効果は報告されています。高校における研究では、知識や理解の向上、予防的な気づきが確認されました。また、大学の専門家養成実習においても、参加者からの推奨意欲が高まるなど、先駆的な反応が見られたとしています。
実施した学校からは、「体験の質と没入度が非常に高い」との評価が寄せられ、その結果87.5%の参加者が最高評価を付けました。
導入シーンと提供方法
『キュアード』は、高校では保健や人権教育、医療分野では多職種連携の心理教育、さらには当事者会での対話のきっかけとしても活用可能です。特に、体験→振り返り→言語化の流れを通じて「自分ごと化」するプロセスが期待されます。
無償で提供される教材一式は、高校、大学、医療機関、自治体などに配布されています。興味がある方は、ぜひこの機会を通じて、教育の現場での導入を検討してみてください。
お問い合わせ
無償公開に関する詳細情報や、取材を希望される場合は、以下の連絡先までお尋ねください。
体験を通じた理解を深めて、摂食障害予防の一助となる『キュアード』をぜひご活用ください。