神戸市のリン回収設備が完成
2023年4月25日、神戸市の玉津処理場で行われた「リン回収設備完成記念式典」に、水ingエンジニアリング株式会社が参加しました。この新たなリン回収設備は、神戸市内で21万人の下水を処理している重要な施設です。また、既に存在する東灘処理場に続いて、2番目のリン回収設備としての役割を果たします。
リン回収の背景と重要性
玉津処理場に設置されたリン回収設備の背景には、リン鉱石のほぼ全量が輸入に依存している現実があります。肥料の三要素の一つであるリン酸の原料として、リンを再回収しリサイクルすることが、人々の食の安全保障や資源循環に貢献する重要な業務となっています。
この取り組みは、2011年度から神戸市と水ingグループが共同で行ってきたもので、汚泥からリンを効率的に回収する技術が確立されてきました。そして、今では回収したリンを水ingエンジニアリングが買い取ることで、肥料として再利用されています。
今後の展望
神戸市では、さらなる進展として、2026年度には東灘処理場に3基目のリン回収設備を導入する計画が進行中です。これが実現すれば、神戸市内での年間リン回収量は約300トンに達し、市民のニーズ(年間約400トン)の大部分を満たすことが可能になる見込みです。これにより、他の都市への供給も進み、地域全体の資源循環が促進されるでしょう。
完成記念式典の様子
式典には久元喜造神戸市長と国土交通省、農林水産省の関係者など約40名が出席しました。テープカットを行い、地域循環の輪や回収したリンを使用した肥料「こうべハーベスト」による地元農産物や日本酒のPRも行われました。このイベントは、地域資源を有効に活用するための重要なステップとして位置付けられています。
水ingグループの未来への責任
水ingグループは、地域の水インフラの持続可能性に向けて、安全で安心な設計・建設を引き続き実施していく方針です。私たちの生活の質を向上させるためには、地域に根ざした取り組みがますます必要とされる時代となっています。このリン回収設備は、その第一歩となることでしょう。今後も神戸市と共に、地域循環型の社会実現に向けて、積極的に活動していく所存です。