地域企業が神戸大学カヌー部を支援する新たな取り組み
神戸大学カヌー部は、現在23名の部員を有し、神戸市内の深江キャンパスや芦屋キャナルパークで活発に練習を行っています。最近、神戸を拠点にする株式会社EGIJがこのチームに対し、資金面とチーム作りの支援を行うことになりました。この取り組みは、新しい形の地域貢献として期待されています。
スポーツ支援の背景
8月に開催された関西学生カヌー選手権大会および全日本学生カヌースプリント選手権大会では、神戸大学カヌー部のメンバーが目覚ましい成果を収めました。しかし、全国大会への出場には深刻な資金問題がありました。特に山形県での大会においては、艇の運搬費用が予算を大きく超え、移動や宿泊費も個人負担で、一部の部員は出場を諦める事態に。さらに古い艇の使用が続いており、経年劣化も進行中でした。
EGIJによる支援の具体的内容
EGIJ社は、ただ資金面での支援を行うだけではなく、「エマジェネティックス®」というコミュニケーション支援ツールを活用し、部員間の対話やチームビルディングをサポートしています。このツールは、個々の思考や行動の特性を数値化し、プロファイリングすることで、より良いコミュニケーションを促進します。これにより、チーム全体の雰囲気が向上し、競技力の向上にも寄与するという効果が期待されています。
実際に、EGIJ社からの支援を得て、全ての部員が全国大会に出場できることになりました。新しい艇やバトルも購入でき、今年の目標は「全国ベスト8入り」です。この挑戦に向けて、日々精力的に練習を重ねています。
サポートの背景にある思い
EGIJの社長、岡本興一氏は、大学時代に自身がラクロス部に所属していた際の経済的理由で部員が退部する様子を見て、企業と学生の新しい関係を築く必要性を感じたと語っています。それがきっかけとなり「SPONSORS BOOST」が開発されました。このプラットフォームは、企業が大学の部活に小口で出資し、メンバーの経済的な不安を軽減するだけでなく、彼らと企業の接点を作ることを目的としています。
「SPONSORS BOOST」の仕組み
「SPONSORS BOOST」では、企業が大学の部活動に月額30,000円から出資することができます。このシステムにより、資金供与だけでなく、部活動の認知度向上や新入部員の獲得にもつながります。また、部員は企業と接点を持つことで、将来的な就職活動にもプラスの効果をもたらします。
EGIJ社は、毎月オンラインでのミーティングを通じて、主将や部員とコミュニケーションを取り、その関わり方やチームマネジメントについて具体的なアドバイスを提供しています。
地域の絆を深める
今回は第一回目のオフラインミーティングも予定されており、地域企業と大学の距離が一層近くなることでしょう。特にEGIJ社の岡本社長は、神戸大学カヌー部をサポートするために実際に大会会場に足を運び、応援するなど、地域とチームの絆が深まっています。これからも、地域企業と学生の新たなサポートの形としての「SPONSORS BOOST」が、神戸の地での学生活動を活性化していくことを期待したいです。