豊岡市の出石永楽館がVRで甦る!文化財のデジタルアーカイブの取り組み
兵庫県豊岡市出石に位置する「出石永楽館」は、近畿地方最古の芝居小屋として139年以上の歴史を誇ります。最近、株式会社ホロラボが中心となり、この文化財を3Dデジタルアーカイブ化するプロジェクトが実施されました。2026年8月28日には、特設バーチャル空間「永楽館VR」として一般公開される予定です。
デジタルアーカイブの意義
この取り組みは、単なる文化財の保存にとどまらず、地域資産のデジタル化を通じて、観光振興や教育、文化の発信を目指す「地域社会DX」の一環として位置づけられています。出石永楽館を舞台にした「バーチャル出石」の展開も視野に入れ、他地域への応用も計画されています。
出石永楽館の歴史
出石永楽館は1901年に小幡久治郎氏によって建設され、以降、歌舞伎や新派劇、寄席、活動写真など多彩な公演が行われてきました。しかし1964年に閉館した後、地元住民による保存活動を経て、2006年から2008年にかけて大規模な復元改修が行われ、44年ぶりに芝居小屋として復活しました。その結果、廻り舞台や奈落など、明治期の劇場機構がそのまま残されています。
3D再現の技術
今回のデジタルアーカイブは、地上型レーザースキャナ「RTC360」やミラーレス一眼カメラ「α7RV」、ハンドヘルド型レーザースキャナ「XGRIDS Lixel K1」など、最先端の機材を駆使して行われています。特に7000枚以上の写真を使用し、フォトグラメトリと3D Gaussian Splattingを組み合わせて、現実に近い質感と空間表現を追求しました。
特徴的な空間を再現
永楽館の特徴である廻り舞台や奈落を含む全ての空間が、3Dデータとして忠実に再現されています。この技術により、ユーザーはPCやスマートフォンのブラウザから、手軽に永楽館の内部を自由に見学することが可能となります。
バーチャル体験の特徴
公開されたバーチャル空間『永楽館VR』は、特にメタバースプラットフォーム「Arrival.Space」を採用しており、ユーザーは特別なアプリのインストールなしに館内を探索することができます。URLをひとつ入力するだけで、舞台の上や客席から周囲を見渡すことが可能です。
地域文化の未来
出石永楽館の館長、赤浦毅氏は、このプロジェクトに対する期待を語っています。「100年以上の歴史を持つ芝居小屋が現代の技術と融合することで、過去を体験できる空間が提供されることを嬉しく思います」と述べており、地域の魅力を世界中に発信する重要な一歩と捉えています。
最後に
出石永楽館の3Dデジタルアーカイブは、単に施設のデジタル化にとどまらず、地域振興や文化教育といった幅広い面での発展が期待されています。ぜひ一度、未来の文化体験を「永楽館VR」でお楽しみください。
永楽館 - Eirakukan
永楽館 外観 - Eirakukan Exterior
この取り組みが、永楽館の新たな魅力を引き出し、観光の新しい可能性を示すモデルケースとなることを願っています。