万博会場における快適性をAIで評価!
2025年に開催される大阪・関西万博では、会場内の快適性を測る新しい試みが始まります。その名も「エエきも値」。この快適性評価に、株式会社モルフォが開発したAI姿勢推定技術「Morpho Pose Estimator™」が採用されました。この革新的な技術を利用して、万博を訪れる人々の快適な体験を科学的に評価するプロジェクトが進行中です。
「エエきも値」とは?
「エエきも値」は、大阪・関西万博の会場で訪問者の快適性を評価する指標です。この指標を算出する実証実験は、株式会社きんでんが主導し、会期中の4月13日から10月13日まで実施されます。この実験では、関係者のスマートフォン専用アプリを通じて、各パビリオンや施設の快適性の情報が可視化されます。
この評価には、温湿度データや予約状況、さらには来場者の行動に基づくさまざまなデータが活用されます。特に注目されるのは、施設内に設置されたカメラやセンサーが集める来場者の動作や音声データです。これにより、混雑状況や環境快適度、さらには「バズり度」と呼ばれるSNSの情報まで組み合わせて評価が行われます。評価は「エエ」(快適)から「アカン」(不快)までの5段階で表示され、訪問者にリアルタイムで快適性を知らせることができます。
モルフォの技術
モルフォはこのプロジェクトにおいて、AI姿勢推定技術「Morpho Pose Estimator™」を駆使します。この技術は、デジタル画像から人体の姿勢を高精度で推定するもので、特に以下の特長があります。
- - 高精度な姿勢推定:人体の18か所の特徴点を検出し、高精度で姿勢を評価できます。
- - 複数人物同時検出:単一画像内の複数人物の姿勢を同時に検出します。
- - 適用幅の広さ:低解像度の画像や複雑な背景でも対応可能です。
このような技術により、来場者の動きを詳細に解析し、快適性評価値の算出に必要なデータを提供します。これにより、万博来場者がどのような状況で快適さを感じるのか、リアルな状況を明らかにできます。
今後の展望
「エエきも値」実証実験を通じて得られる知見は、今後の商業施設や他の公共空間への応用が期待されています。モルフォは今後もきんでんと連携し、企業や研究機関とのコラボレーションを進め、快適性評価のさらなる向上を目指します。そしてSDGs(持続可能な開発目標)やSociety5.0の実現に向けた活動にも貢献していく計画です。
まとめ
2025年の大阪・関西万博では、モルフォの技術を活用した新しい快適性評価が実施されます。来場者の体験を科学し、快適であふれた空間の提供を目指すこの取り組みは、今後の社会においても多くの可能性を示唆しています。快適な環境づくりに向け、AI技術がどのように活用されていくのか、目が離せません。