加東市の古民家から生まれる子どもたちの力と地域活性化の未来
現代の子どもたちが直面する課題として、文部科学省の調査結果が示すように、約45%の小中学生が「自分で考え行動することに自信がある」と回答したのは過去最低という事実があります。一方で、70%以上の子どもたちが「正解を求めて動くことが多い」と答えるなど、主体性の喪失が顕著です。この現象は学校教育に限らず、大人たちが「便利さ」や「効率性」を追求するあまり、子どもたちが育つ環境が狭まってしまった結果と言えるでしょう。
不便さの中に見出す学び
加東市の片隅にある古民家が、この現状に光を当てるきっかけとなりました。便利な場所から一歩離れたこの古民家では、手間をかけ、考える余白が存在します。ここに「子ども村づくり」という新たな取り組みが生まれました。「まちづくり」は年々増えている言葉ですが、実際には大人の視点が多く、子どもたちの声が届きにくい状況があります。この状況を打破するため、私たちは「子どもが発信する地域づくり」という問いを立てました。
共育型の学び場
「こども村づくり」は、古民家を利用した共育型の学びの場です。ここでは、子どもたちが自ら床を作ったり、大型ガチャガチャを制作して大阪万博に展示したりと、様々な創作活動に取り組んでいます。「やってみたい」を実現するために、木工、農作業、料理、地域との交流を通じて、子どもたちが自ら企画し、実行する機会が与えられています。
大人は「教える」存在ではなく、「共に育む」支援者です。この協力関係の中で、子どもたちは徐々に自分の言葉を見つけていきます。これは教室の中だけでは体験できない「生きた学び」であり、彼らの成長に新たな可能性をもたらしています。
成長の証
活動を始めてから1年で、参加者数は28人にまで増加しました。子どもたちの中には、次のような感想を持つようになった子もいます。「勉強が嫌いだったけど、今は勉強が私たちの生活を支えていることが分かった。もっと学んで社会を知りたい。」このように、机上の学びとは異なる、実際の生活に役立つ経験ができることが彼らの心に変化をもたらしています。
地域との連携を深める今後
今後は、地域企業や行政との協力を深め、子どもたちの発信力を活かしたプロジェクトを広げていく予定です。「教育」「福祉」「経済」を横断する新たな学びの形式を加東市から全国に展開していくことで、今の子どもたちが抱える不便さの先にある「生きる力」を次世代に引き継いでいきたいと考えています。
この取り組みを通じて、地域全体が巻き込まれ、子どもたちだけでなく大人にも大きな影響を与えることでしょう。不便の向こう側に広がる可能性を一緒に探求していきませんか?
【お問い合わせ】
企業名:一般社団法人1POME
所在地:兵庫県加東市東古瀬61-1
担当:熊本亜斗武
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