シスメックスがKELAの多角的セキュリティソリューションを導入
シスメックス株式会社は、医療用検査機器の開発・製造を行う企業として、サイバーセキュリティにおいても決して手抜きをしません。最近、イスラエルに本社を構えるKELAと協力し、グローバルなセキュリティ体制を構築するプロジェクトが本格的に稼働を開始しました。これは、サイバー脅威インテリジェンスやリスク管理ソリューションを提供するKELAの技術を取り入れることで、医療情報やデータの保護を強化する取り組みです。
シスメックスのセキュリティ体制の強化
シスメックスは、70年以上の歴史を持ち、医療用検査機器分野で培った知識と技術を盾に、サイバー攻撃の脅威に対抗しています。特に、ランサムウェアなどへの対処が急務とされる中、同社は「Sysmex-CSIRT」という専任チームを2020年に設置しました。このチームは、事業の継続と発展を支えるために、必要なセキュリティ対策を講じており、KELAの脅威インテリジェンスを活用することで、リアルタイムにリスクの評価ができるようになりました。
新たに導入されたKELAの「KELA Threat Intelligence」や「ULTRA RED」、さらには「SLING SCORE」を利用することで、シスメックスはセキュリティ体制を一新。特に、ULTRA REDはIT資産の脆弱性をスコアで表示し、緊急性の高いリスクを優先的に対処することが可能になりました。
KELAによるプロアクティブなアプローチ
KELAの脅威インテリジェンスは、アンダーグラウンドからの情報を必要に応じてリアルタイムで提供するため、シスメックスは安全な情報管理ができています。各拠点での情報共有もスムーズになり、迅速な対応が可能に。これにより、本社側での従来の運営方法から、すべての拠点が平等に情報を確認できる環境が整いました。
例えば、アメリカで発見された問題を本社側が仲介することなく、直接各拠点で問題に対処することができるため、効率が大幅に改善されています。この情報共有によって、シスメックスグループ全体のセキュリティ対応能力が飛躍的に向上しました。
KELAとの協業による導入成果
導入の結果、シスメックスCSIRTのチームは脅威情報を日々モニタリングし、自社のIT資産に関わるリスクが無いかをチェックしています。KELAのソリューションにより、リスクマネジメントが簡素化され、情報の取捨選択が容易になりました。これにより、迅速かつ効率的に対応できる体制が整いました。
さらに、攻撃者情報や新たな攻撃手法に関するレポートも定期的に届けられ、この情報を基に攻撃の防止策を講じることができています。具体的には、パスワードのリセットやアカウントの無効化など、迅速な対応が可能となっており、シスメックスのセキュリティ体制は一層強化されています。
これからの展望
シスメックスとKELAの関係は、今後も進化していくことでしょう。両社が協力することで、医療情報のセキュリティを確実に高め、さらなる成長を遂げられると期待されます。また医療機器の製造・販売を行う企業として、ますます重要性を増すサイバーセキュリティへの意識が高まっています。
シスメックスは、医療の安全を守るために全力を尽くす姿勢を貫いていくことが求められます。そして、KELAの革新的な技術の活用によって、未来の医療セキュリティを切り拓いていくことが期待されています。