植物育種の未来
2026-03-05 11:11:54

神戸大学とQFFの共同研究が開く新たな植物育種の未来

神戸大学とQFFの共同研究が開く新たな植物育種の未来



株式会社クォンタムフラワーズ&フーズ(QFF)と神戸大学大学院理学研究科石崎研究室が新たな受託研究を開始しました。今回の研究では、モデル植物として知られるゼニゴケ(Marchantia polymorpha)に焦点を当て、中性子線を活用した変異体の創出を目指します。この取り組みは、将来的に食用素材や機能性素材の開発に繋がることが期待されています。

研究背景と目的


ゼニゴケは陸上植物の進化を理解するための重要なモデル植物として、国内外で広く利用されています。ゲノムが比較的単純なため、発生機構や遺伝子制御に関する基礎研究が行いやすく、世代時間も短いため、迅速な研究結果が期待できます。石崎研究室はこれまでの研究を通じてゼニゴケを用いた発生生物学や遺伝学の分野での知識を蓄積してきましたが、より多様な変異をもたらす変異体の取得が大きな課題でした。この新たな受託研究を通じて、その課題を解決し、基礎植物科学のさらなる発展を促進することを目指しています。

受託研究の内容


本研究では、中性子線照射によってゼニゴケに多様な変異を導入します。具体的な手順としては、まずゼニゴケ試料に中性子線を照射し、その後に生存率を保持しつつ多様な変異を誘発します。これらの変異体の形成後、初期的な表現型解析を行い、変異体のリソースとしての活用に向けた基礎データを取得します。得られた変異体は、石崎研究室でさらなる基礎研究の材料として利用される予定です。

中性子線育種技術の特徴


QFFの「中性子線スピーディ育種®」技術は、多様な遺伝変異を誘発する特性を持ちます。具体的には、点変異だけでなく、欠失や挿入、構造変異など様々な変異を誘発することができます。この技術の大きな特長は、生存率を大幅に低下させることなく多数の変異を取得できる点です。また、非GMO技術であるため、将来的な研究の応用においても社会的受容性を確保しやすいと期待されています。

今後の展望


この受託研究は主に基礎研究を目的としていますが、ゼニゴケの成長性や高栄養価に着目した食用原料や機能性食品素材としての社会実装についても視野に入れています。非GMOかつオフターゲットの少ない変異誘発技術を活用することで、将来的に幅広い研究領域での利用が見込まれています。

代表者のコメント


石崎研究室の教授、石崎公庸氏は「ゼニゴケは基礎植物科学において不可欠なモデル植物です。この研究を通じて中性子線を使用した新たな変異体創出方法論を探求し、今後の基盤研究の強化に繋げたい」と述べています。また、QFFのCEOである菊池伯夫氏は「今回の受託研究が、非GMOでオフターゲットの少ない中性子線変異誘発技術の価値を明確にする機会となり、食材や素材の新たなプラットフォームを創出する可能性を秘めています」と期待を寄せています。

この革新的な研究が、植物育種の未来を如何に変えるか、注目が集まります。


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