姫路に新たな風。CLTパネル工法の新社屋完成見学会を開催

兵庫県姫路市で、2025年6月28日と29日の2日間にわたり、CLTパネル工法を用いて建設された山陽建設株式会社の新社屋完成見学会が行われます。今回の見学会では、木材の特徴と美しさを感じながら、持続可能な建築の未来を体験できる貴重な機会です。

CLTパネル工法による先進的な建物

新社屋は、日本CLT技術研究所が開発した『LC-core構法』を採用し、116.8m³のCLT（Cross Laminated Timber）を使用しています。さらに、ZEB（ネット・ゼロ・エネルギー・ビル）認証を取得しており、エネルギー効率の高い建物を実現しています。構造材の多くが表面に現されていることで、性能とデザインが見事に融合した仕上がりとなっています。

見学会は、土曜日と日曜日の2日間にわたり、午前と午後の2部構成で行われます。参加は無料で、事前の予約が必要となっています。地域に根ざしたこの建物の開放は、建築業界だけでなく、一般の方にも新しい視点を提供することでしょう。

自然循環型ZEBの実現

新しい社屋は、環境への配慮が随所に込められています。ZEBを実現するために、CLTの床盤の上には在来小屋組工法とガルバリウム鋼板の屋根が採用され、高い断熱性と気密性を実現しています。外壁には高断熱仕様が施され、セルロースファイバーやトリプルガラス窓が使われています。さらに、太陽光発電と集熱パネルを活用する「そよ風」システムを導入し、再生可能エネルギーの利用を促進しています。

木の質感を体感

CLTパネルを用いたこの建物では、壁や天井に露出しているCLT材を利用して、木の温もりを存分に感じられる空間が創出されています。特に吹き抜けの階段室では、全ての表面がCLTで構成されており、訪れる人々が直接木材の質感や美しさを体験できるよう工夫されています。展示スペースも設けられ、地域でのCLT建築の普及に向けた学びの場所としての役割が期待されています。