新たな働き方、キャリアブレイクの魅力
神戸市に拠点を置く一般社団法人キャリアブレイク研究所が、いよいよ2025年10月に『キャリアブレイク白書(2025)』を発表します。この文書は、これまでの調査結果と経験談を基に、キャリアブレイクの意義とその実態を明らかにしたものです。
 キャリアブレイクとは
キャリアブレイクは「休暇」「休職」「離職」などを通じて、今までの役割から離れ、自分自身や社会を見つめ直す時間を楽しむことを意味します。特に近年は、心身の健康や仕事の質を考慮する企業が増えてきており、キャリアブレイクの文化が日本でも広まりつつあります。
 白書の根拠データ
この白書では、厚生労働省の「労働者調査」などを参考に、社会全体でキャリアブレイクがどのように受け入れられているか、またその実態が探られています。約1ヶ月以上のキャリアブレイクを経験している常用労働者は、35人に1人という驚くべき事実が浮かび上がりました。
 誰が、なぜキャリアブレイクを選ぶのか
キャリアブレイクを選択する理由は、主に心身の不調やキャリアの方向性を見直したいという思いから来るケースが多いです。実際、この調査によると、「心身の不調」が58.5%を占め、次に「キャリアの再評価」が続きます。また、決断を下すまでの期間は、44.7%が1〜6ヶ月と答えています。
 お金と生活の実態
キャリアブレイクを始める際の貯金状況も興味深い結果が出ており、「500万円以上」の貯金を持つ人が31.2%を占めています。また、収入源に関しては、半数を超える人が失業手当や公的資金で支えていることがわかりました。
 周囲の反応と計画性
キャリアブレイクに対する周囲の反応は約半数が肯定的であり、35.4%がどちらとも言えないと回答しています。このことからも、社会におけるキャリアブレイクへの理解が進んでいる様子が見て取れます。
 期間中の過ごし方
キャリアブレイク中の過ごし方として、多くの人が休養や睡眠を重視し、次いで人間関係の見直しや自己探求に時間を割いていることがわかりました。他にも趣味や旅行を楽しむ人も多く、様々な体験を通じて新しい自分を発見する場となっています。
 経験後のキャリアについて
キャリアブレイクを経た後の転職先としては、異業種の転職が35.7%を占めています。年収は、元に戻った、もしくは上がったと語る人もいますが、やや下がった人も多く見受けられます。満足度については、約80%の経験者がキャリアブレイクに満足しており、96.4%が他の人に勧めたいと考えています。
 有識者の見解
キャリアブレイクの重要性を強調する声も多く寄せられており、鈴木おさむ氏は「これからの時代の当たり前になっていく」とコメントしています。また、人生100年時代において、立ち止まって振り返ることが重要であるという意見も多数あります。
 まとめ
キャリアブレイクは、今後の働き方改革において欠かせない視点となりそうです。特に、心と身体の健康、自己成長を図るための重要な選択肢として、多くの人がその魅力に気づき始めていると言えるでしょう。『キャリアブレイク白書(2025)』は、その背景にある実態をより深く知るための貴重な資料になることでしょう。