岡山大学の新ネットワーク
2025-09-05 02:13:25

岡山大学が始めるヘリウムリサイクル新ネットワークの取り組みとは

国立大学法人岡山大学は、限られた天然資源である液体ヘリウムの持続可能な利用を目指し、「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク(中四国・播磨HeReNet)」を2025年に立ち上げました。この取り組みは、近年高騰している液体ヘリウムの安定供給、そしてリサイクルを促進するもので、学内外の研究機関や企業と連携し、効率的なヘリウム利用を実現することを理念としています。

実証実験は2025年7月10日と8月28日に岡山大学津島キャンパス内の自然生命科学研究支援センターで実施されました。この実験には、技術職員や研究者に加え、企業の関係者も参加し、本学が持つ液体ヘリウムを使用する設備の実力を試す重要な機会となりました。液体ヘリウムは国内で生産されていないため、すべて輸入に依存していますが、コロナ禍や国際的な紛争などでその入手が難しくなり、研究現場に影響を及ぼしています。

岡山大学では、ヘリウム液化装置を保有し、学内で供給された液体ヘリウムを利用し、その発生したヘリウムガスを回収して再び液化するシステムを利用しています。このプロセスにより、ヘリウムの利用効率を大幅に向上させることができます。さらに「中四国・播磨HeReNet」では、他の大学や高専とも連携し、このリサイクルシステムを広範囲に展開する計画です。具体的には、発生したヘリウムガスをガスバッグで収集し、専用の圧縮機を使ってガスボンベに詰め替える作業を行っています。

7月の実証実験では、ガスボンベからのガス回収が行われ、成功を収めました。また、8月にはガスバッグからボンベへのガス詰め替えも無事に確認され、参加者間で意見交換も活発に行われました。このような一連の実験は、今後の研究開発に向けた険しい道のりを示す第一歩といえるでしょう。

現行のヘリウム液化装置は老朽化が進んでいるため、文部科学省の支援を受けて2026年度末までに新しい設備への更新が予定されています。この新しい設備は、ヘリウムの安定供給のみならず、学内の研究力向上にも寄与することが期待されています。

岡山大学はこの取り組みを通じて「イノベーション創出の知と技のメッカ」となることを目指しています。ヘリウムを利用した研究は多岐にわたり、その裾野を広げることで、さらなる技術革新や産業発展が期待されます。これによって日本全体の研究力が高まり、イノベーションが加速することが願われています。未来の科学技術を支えるこのプロジェクトに、多くの期待が寄せられています。ぜひとも岡山大学とその参画機関の新たな挑戦を見守り続けましょう。


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