2023年、兵庫県尼崎市に本社を置く株式会社関通は、中国青島に拠点を持つ保税物流事業者である青島中創保税物流有限公司と業務委託契約を締結し、日中間における包括的な物流プラットフォームのさらなる発展を目指しています。この提携は、国際物流の効率化とリスクマネジメントを強化するための第一歩です。
提携の狙いとは
関通と青島中創の提携は、国際物流における様々な課題に対処するために設計されています。特に、中国側での出荷遅延や在庫逼迫というリスクへの対策を講じ、顧客企業の在庫リスクを軽減することを目指しています。従来の物流体制では、上海港の混雑や運送遅延が顕著でしたが、青島港も活用することで、出荷の安定性を図ります。
さらに、フレートマンロジックス社との連携を強化することで、青島エリアにおける現場対応力を高め、顧客企業へのサービスを向上させることも狙いです。具体的には、倉庫機能を青島と尼崎に持つことで、各地からの集荷や在庫管理を一層容易にし、流通効率の向上を図ります。
物流構造の革新
関通は、青島中創との連携により、日中の主要な港である上海港と青島港において、保税倉庫の機能を強化します。これにより、倉庫機能が複数にわたることで、顧客からのニーズに応じた柔軟な在庫戦略が可能となります。また、特にアパレルや雑貨など、シーズンによって需要が変動する商材においては、在庫の最適化が大きな利点となります。
国内の動き
また、関通は尼崎倉庫での保税倉庫取得により、日本国内での保税貨物の取り扱いも開始しました。これにより、輸入品を保税状態で保管し、必要な分だけを通関処理することで、在庫回転率が高まります。越境ECやグローバル調達による物流の効率化も進むことでしょう。
三拠点による一元管理
提携による協業体制として、「尼崎」「青島」「上海」の三拠点体制が構築され、顧客企業はこの包括機能を通じて、利便性の高い物流サービスを享受できます。各社の強みを活かした物流体制が、柔軟な配信や在庫最適化を支援し、新たな市場機会を提供します。
今後の展望
関通は、青島中創との提携を取り入れ、日中間物流の新しいモデルを確立しました。これにより、越境EC事業者や国内小売業者など、様々な企業ニーズに応えるための物流支援体制を強化し、柔軟で効率的な流通を実現していきます。さらに、今後は南部中国への展開や、東南アジア市場でも求められる物流ソリューションの提供を視野に入れています。国境を越えた日常物流の実現に向けた一歩を、関通は踏み出したのです。これにより、顧客企業の成長を力強くサポートする体制を構築し、物流業界の革新を図り続けます。