香川県の男木島で実施された離島型ドローン防災訓練の全貌

離島環境でのドローン防災訓練

2025年12月16日から17日までの2日間、香川県高松市の男木島で、一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会と株式会社キンシュウの共催により、実践型ドローン防災・減災訓練が行われました。この訓練は、宿泊施設を利用せず現地での物資調達も不可という、非常に厳しい条件の下で実施されました。参加者は、ドローンを活用した要救助者の捜索訓練や自己完結型活動を学び、実践的なスキルと意識を高めていきました。

背景と目的

災害時には、全国から多くのドローン操縦者や支援者が被災地に集まります。しかし、事前の準備不足により、限られた物資を無駄に消費してしまう事例が見られます。また、捜索飛行の経験が不足すると、事故や二次災害の危険性が高まることから、こうした問題を解決するために今回の訓練が企画されました。

訓練の概要と特徴

日程と場所

- 日時: 2025年12月16日 9:00〜17日 15:00（約30時間）
- 場所: 香川県高松市男木町（男木島）

設定された条件

- 宿泊施設を使用せず、野営形式での実施。
- 現地での食料・防寒具の調達は禁止。
- 電源や通信環境は自前で確保。

このような厳しい条件により、参加者は被災地に負担をかけない自己完結型の活動を体験的に学ぶことができました。

訓練内容

1. ドローンによる要救助者捜索訓練
訓練では、ドローンを利用した要救助者の捜索に重点を置き、飛行技術や捜索効率を向上させるための様々な手法を学びました。

- 飛行高度や速度の調整方法、インターバルでの捜索画像確認技術
- 日中と夜間での僚機による捜索と撮影技術の違い

2. 基礎行動訓練
ドローンの操縦技術だけでなく、災害現場での基礎的な活動スキルにも取り組みました。

- 自給自足の食料計画や防寒対策、電源の確保方法
- 無線機の使用法と定時連絡の重要性

参加者の気づき

約30時間の訓練を受けた参加者は、以下の重要な気づきを得ました。

- 必要物資の多さの実感。
- 効率的な捜索計画の必要性。
- 夜間飛行の難しさとその対策。
- 自己完結型支援の意義。

未来への展望

今後、この訓練は更に全国各地で実施される予定です。参加した自治体や企業、団体は、実際の災害現場で活用できる技術と意識を高めることが期待されています。これにより、支援者が被災地の物資を消費せず、効果的に支援活動が行えるようになることが目指されています。

協会では、訓練を希望する自治体、団体、ドローンパイロットの方々からの問い合わせを受け付けています。実践的な訓練環境で、より効果的なドローンの運用を学ぶ機会を提供します。