古野電気がブルーカーボン技術を発表!
2025年11月、台湾で開催される「アジア水産音響学会」において、古野電気株式会社がゴールドスポンサーとして参加しました。同社はこの場で、魚群探知機を使用した藻場調査とブルーカーボンに関する情報を提供しました。
ブルーカーボンとは?
ブルーカーボンは、海洋や沿岸生態系が大気中の二酸化炭素を吸収し、海中に固定する仕組みを指します。この生態系は、地球温暖化への対応策として重要な役割を果たしており、これからの時代にますます注目されています。古野電気は、「Ocean 5.0」を目指して、持続可能な社会の実現に向けた活動を推進し続けています。
調査に用いた技術
今回の発表では、魚群探知機を使った新たな調査手法が紹介されました。これまでは、藻場の状況を把握するためにダイビングやドローン、衛星画像など多様な方法が用いられていましたが、古野電気の音響技術を駆使した調査は、より手頃で効率的な方法の一つとなっています。具体的には、音響信号を使用して海底の海藻や海草を検出する技術が紹介されました。
藻場調査の詳細
この調査では、日本沿岸の重要なブルーカーボン生態系を形成する植物、例えばワカメやホンダワラ、コンブ、アマモなどの情報を収集しました。魚探で取得した音響データを分析し、藻場の高さを把握。さらにGPS情報と組み合わせて分布マップを作成し、ソフトウェアの線形補間を使って藻場の面積や体積の算出も行いました。これらのデータは、今後の炭素固定量の推定や、Jブルークレジット制度の申請に活かされる可能性があります。
技術的アプローチと海洋環境保全
調査から得られた結果に基づいて、藻場成長に適した海域の評価や、漁業活動を行いながらのデータ収集、さらには藻場造成に結びつける方法が提案されました。こうした技術的アプローチを通じて、漁業と海洋環境の保全を両立させることが目指されています。古野電気は、藻場の測定技術におけるさまざまな課題を解決しつつ、持続可能な未来へ向けた挑戦を続けています。
発表者のコメント
「ブルーカーボンはCO₂の吸収だけでなく、水域全体を保護する重要な機能を持っています。私たちの『Ocean 5.0』の理念に基づき、最適なテーマとして取り組むべきだと考えています。魚群探知機は、魚を探す用途だけでなく、広範囲かつ立体的なデータを収集できるポテンシャルを持っています。この発表を通じて、より多くの人々にその重要性を知ってもらい、活用の幅を広げていけることを期待しています。」
古野電気は、持続可能な未来を構築するために、今後も様々な技術革新に取り組んでいく姿勢を示しました。