火星の謎に迫る
2025-03-05 00:59:55

国際宇宙ステーションから見える火星の謎に迫る共同研究の成果

火星の重いマグマの正体を探る共同研究



近年、火星探査機InSightによって観測された火星の地震が、火星内部の研究に新たな光をもたらしました。この共同研究に参画した関西学院大学、岡山大学、島根大学、愛媛大学、そして海洋研究開発機構の研究チームは、国際宇宙ステーション「きぼう」に搭載された静電浮遊炉を使用し、火星深部に存在する重いマグマの組成を明らかにしました。

火星の内部構造に関する理解が進む



2019年、NASAの火星探査機InSightが初めて火星の地震を観測し、火星の内部構造に関する知見が大きく進展しました。この研究では、火星の中心に核が存在し、その上にはマントルと呼ばれる岩石層があることが示されました。このマントルと核の間には、マグマの層が存在することが発見されたのです。特に、火星内部の液体マグマが重力的に安定するためには、その密度がマントルを構成する岩石より重い必要がありますが、その具体的な組成については未解明でした。

共同研究の成果と実験



この共同研究では、関西学院大学の河野義生教授を筆頭に、岡山大学の近藤望特任助教、島根大学の尾原幸治教授、愛媛大学の桑原秀治特任講師、海洋研究開発機構の中田亮一主任研究員が参加しました。彼らは静電浮遊炉を用いて、SiO2が少なく、鉄に富むケイ酸塩マグマの密度を測定するという、これまでの地上実験では困難だった課題に取り組みました。

実験の結果、鉄に富むケイ酸塩マグマはマントルの岩石よりも高密度であり、火星深部の核とマントルの境界において重力的に安定した存在が可能であることがわかりました。この発見は、火星形成の初期段階において、重いマグマが深部に沈み込み、核とマントルの境界で安定したケイ酸塩の層を形成した可能性を示唆しています。

研究の意義と今後の展望



この研究成果は、Area and Earth Journalに2025年3月に掲載される予定であり、火星の形成や進化についての理解を深める重要な鍵となるでしょう。研究チームは引き続き、火星の内部構造や形成過程についての研究を進めていく予定です。この研究が火星探査や宇宙探査に与える影響は計り知れず、今後の宇宙探査活動にも大きな寄与が期待されています。

火星の奥深くに潜む謎を解明することは、人類の宇宙に対する理解を広げる大きな一歩となるでしょう。火星の探査と研究が進む中、私たちはさらに多くの発見を期待しています。


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