水産業の近代化における重要な業績が、ついに公式に認められました。古野電気株式会社が初めて商品化した魚群探知機が、世界的な専門組織であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)から「IEEE Milestone」として認定されたのです。この贈呈式は2023年4月25日に兵庫県西宮市の本社にて行われ、IEEEのありとあらゆる関係者が出席し、記念すべき瞬間を共に祝いました。
魚群探知機とは?
魚群探知機は、振動子が電流を受けることで超音波を水中に発信し、その反射波を電気信号に変換することによって魚群を見える化する装置です。古野電気は、1948年にこの技術を実用化し、1949年に商品化に成功。その結果、漁業の効率を大幅に向上させ、戦後のタンパク質不足解消にも寄与しました。これまで漁師たちは経験則や勘に頼るしかありませんでしたが、科学的な視点が導入されたことで、漁獲量が飛躍的に増加し、漁業は新たな時代を迎えました。
IEEE Milestoneの意義
「IEEE Milestone」は、過去に25年以上が経過した画期的な電気・電子技術の成果を認定する目的で1983年に設立されました。これまでに多くの歴史的技術が評価されてきましたが、古野電気の魚群探知機がその仲間入りをしたことは、企業にとっても、水産業全体にとっても特筆すべきニュースです。古野電気の代表取締役社長、古野幸男氏は、受賞の挨拶で、当社の創業者が持つ「いつでも今が始まり」という精神が社員に根付いていることが、現在の技術革新の原動力であると述べました。今後も、未知なる発見や発明を通じて社会に貢献し続ける意志を示しています。
今後の展望
古野電気株式会社は、今後も「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」という理念のもと、新たな技術の革新を続けていく方針です。これにより、魚群探知機のように、次世代の水産業に影響を与える新たなツールや技術が生まれることを期待しています。古野電気の未来は、さらなる技術革新を追求し、業界をリードする会社であり続ける姿勢にかかっています。
世界中の漁船に搭載されるこの魚群探知機は、もはや当たり前の存在となっていますが、その背景には古野電気が90か国以上に及ぶ販売網を築いてきたという事実があります。伝統と革新を融合させた同社の取り組みは、今後も多くの人たちの日常に影響を与えることでしょう。今後の更なる飛躍が楽しみです。