若者の心を映す『あたらしい日々への短歌賞』受賞作品を発表
2024年に誕生した「フェリシモことば部」が主催する「第2回 あたらしい日々への短歌賞」において、金賞1首、銀賞2首、銅賞3首の受賞作品が5月1日に発表されました。それに続き、佳作9首も5月9日に公表され、注目が集まっています。
この公募は、対象を20歳から29歳までに絞り新しい視点から現代短歌を創出することを目的としています。「ぼくらの短歌プロジェクト」の一環として、審査員に著名な歌人の木下龍也さんを迎え、合計323名から812首の作品が寄せられました。
受賞作の概要
金賞受賞作
段ボールもうしめちゃったよ紙袋いっぱいの愛を抱いて上京(歌人:ひらがな)
この短歌は、手荷物を最小限にして東京に向かうも、周囲の人々からの愛情が詰まった紙袋の数々に心が温まる様子を描写しています。審査員の評価は、様々なものを手渡される中にも見る側の心配りや愛情を見逃さない、その真摯な態度にあり、字余りの表現も過去と未来を繋ぐ意義があるとされています。
銀賞受賞作
カラオケでしわくちゃになる表情を見ていた見せてくれていたから(歌人:植垣颯希)
アイロンがけの丁寧なハンカチを嗅ぐそれで帰れる町並みがある(歌人:薄暑なつ)
これらの作品は、日常の一瞬を切り取ったものであり、身近な感情を映し出した言葉の力を証明しています。
銅賞受賞作
電話すらとれない僕の図体は東京タワーからは見えない(歌人:りきなが)
ビンゴカード開けるみたいに新品の手帳にいくつかたのしい予定(歌人:野崎凪)
春風にあと押しされて洗剤でだけ知っている花を育てる(歌人:鈴城戸)
これらの銅賞作品はいずれも、個々の思いや未来への期待感を繊細に描いており、受賞者の心の声が響いてきます。
公募の背景
この公募は、「あたらしい日々」をテーマに、人々の新生活や恋愛、卒業などの様々な心情を短歌に表現することで、参加者が自分自身の感情に向き合い、気づきを得ることを目的としています。フェリシモでは、このような取り組みを通じて、現代短歌に対する関心を高め、新しい文化の創出を目指しています。
副賞と共に贈られるワイン
受賞者には、フェリシモが運営する都市型ワイナリー「fワイナリー」のオリジナルラベルワインも贈られ、作品に即したイラストが印刷されています。これにより、短歌とワインという異なる文化の融合が図られることになります。このような試みは、若者に文化を楽しむ新たな扉を開くものとして注目されています。
次代の文化を紡ぐ「フェリシモことば部」
今後も「フェリシモことば部」は、若者文化を盛り上げるために、多様なプロジェクトを実施していく予定です。若者の声を反映した新しいコンテンツに期待が寄せられています。詳細については、「フェリシモことば部」のウェブサイトで確認できます。近い未来、どんな新しい言葉が生まれてくるのか、楽しみにしたいですね。