「S’n’Sベジファーム南あわじ」が切り拓く新しい農業のかたち
兵庫県南あわじ市で、注目のプロジェクトが始動しました。「地方に仕事をつくる」ことをテーマにした水耕栽培のショールーム「あわじのはたけ」が、それを実現する場所です。ここに、都市部から移住してきた大野さんと高桑さんの二人が運営チーム「S’n’Sベジファーム南あわじ」として活躍を始めています。彼らの活動の目的は、農業未経験者でも始めやすい農業環境を整え、地方での新しい生活の形を提示することです。
背景:空き物件を活用した新たな地域循環モデル
日本の食料自給率は38%にとどまり、安定した国内生産体制の確立が急務とされています。また、近年の気候変動によって、農業は深刻な影響を受けています。一方で、南あわじ市には多くの空き物件が存在し、移住を希望する人々が生活基盤としての仕事の選択肢に悩む状況が続いています。合同会社ばとんは、こうした課題に対処するため、空き物件を再生し、水耕栽培設備を持つ「あわじのはたけ」を設立しました。
ここでは、室内型農業による食料生産を行い、食料自給率向上に寄与することを目指しています。大野さんと高桑さんは、栽培から収穫、販売までを担当し、農業を通じて地域に貢献していくのです。
就業の仕組み:「育てて、売って、暮らす」
「S’n’Sベジファーム南あわじ」のメンバーは、このプロジェクトを運営するにあたり、さまざまな支援を受けています。合同会社ばとんとの契約により、栽培・収穫・販売を行い、その成果で得た利益を報酬とする形で運営されています。初期費用の負担を軽減し、自由に農業を始められる環境を整えています。
大野さんは長いサラリーマン生活を終え、自分らしい生活を求めて淡路島に移住しました。水耕栽培とアクアポニックスを活用し、自らの挑戦を重ねながら生き生きとしたセカンドライフを送っています。彼は「未経験者でも挑戦できるモデルを示したい」と語ります。
高桑さんは、旅行を通じて移住に興味を持ち、名古屋から淡路島に引っ越しました。彼は持続可能な循環型農業を志向し、様々な水耕栽培の技法に挑戦しています。彼の言葉には「この畑で、いつでもお待ちしています。一緒に新しい生活を楽しみましょう」との温かい誘いがありました。
農業と地域をつないでいく未来展望
あわじのはたけは、単なる農園ではなく、地域活性化の中心地となりつつあります。今後、他地域の空き家や未活用スペースへの展開を検討しており、学校給食や福祉施設との連携を図ることで、新たな食料インフラの構築を目指しています。地域の自治体や企業と協力しながら、持続可能な地域モデルを確立することが期待されています。
また、SNSを通じて、彼らの活動を発信することにも力を入れており、日々の挑戦や成長を広く知ってもらう努力を続けています。興味のある方は、ぜひInstagramをフォローして、南あわじでの新しい形の生活を垣間見てください。
誰もが参加できる農業と、地域の活性化を併せ持つ「あわじのはたけ」。この新たな試みが、未来の地方移住のモデルケースとなることを願っています。